浜松科学館 みらいーら

浜松科学館自然観察園は地域の方々のお散歩ルート。歩道は端から端まで105歩。普通に歩けば1分足らずで通過してしまいます。 その1歩1歩にもたくさんの生き物がいて、関わり合い、科学的な事象が起こっています。「小さな森での小さな出会い」を少しずつお届けします。

浜松科学館 みらいーら

浜松科学館自然観察園は地域の方々のお散歩ルート。歩道は端から端まで105歩。普通に歩けば1分足らずで通過してしまいます。 その1歩1歩にもたくさんの生き物がいて、関わり合い、科学的な事象が起こっています。「小さな森での小さな出会い」を少しずつお届けします。

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    端から端まで「105歩」の自然観察園で、生き物観察をしてみます。

    前回は筆者の自己紹介をさせていただきました。 今回はnoteの舞台となる浜松科学館自然観察園をご紹介します。 西には高さ213 mのアクトタワーがそびえ立ち、北の東海道本線では絶えず新幹線が行き来しています。そんな政令指定都市のど真ん中。浜松科学館の南にある小さな森、そこが自然観察園です。 園内には、約30年前から浜松周辺に自生する樹が植栽され、面積は小さいながらも遠州地域の植生が再現されています。 自然観察園をメインフィールドとした理由として、下の3点があります。

      • 巡回展「身近で気になる昆虫展」 in 北杜市オオムラサキセンター

        この記事が本年最後の投稿になる予定です。 今年も大変お世話になりました。 巡回展「身近で気になる昆虫展」開催中!今年最後の記事は、巡回展のご案内です。 山梨県にある北杜市オオムラサキセンター様を会場に、2021年に浜松科学館で開催した夏の企画展「身近で気になる昆虫展」の巡回展を行うことになりました(既に開催中です)。 筆者はTwitterで「この虫なんだろう?」に回答する活動を行っています。 2021年までの7年間で約2万件の質問に回答し、そのデータをもとに「身近で気にな

        • 何に巻き付く? ヤブガラシのスマートな生存戦略

          はじめに秋も終盤。そろそろ大掃除を計画する方も多いのではないでしょうか? 自然観察園ではボランティアの皆さんとゴミ拾いや樹木の剪定など、「整備活動」という名の大掃除をしています。 整備活動の目的は大きく2つです。 しかし、2つの目的が時として相反することがあります。その1例が今回の記事の主役「ヤブガラシ」です。 ヤブガラシはブドウ科の1種。 5枚一組の複葉をもつ、つる植物です。周囲に巻き付く性質があり、巻き付いた植物を枯らしてしまう程の勢いで繁茂することから「藪枯らし

          • 科学館で「ヒアリ」を探した話

            はじめに「ヒアリだ!」 自然ゾーンにアリの模型があります。この模型を見た多くの人は「ヒアリだ!」と言います。 残念、ハズレです。 (こんな大きなアリがいたら地球はアリの惑星になっていたかもしれません・・・) 正解は、日本に昔から生息する「トビイロケアリ」です。ヒアリと答えた人に「どうしてヒアリだと思いましたか?」と尋ねると「茶色いから」とのこと。 私たちの身の回りにはたくさんの在来種のアリ(以下、在来アリ)が生息していて、その中には茶色の種も多くいます。日常的にアリを観察

            「不思議に満ちた世界」針山孝彦先生(浜松医科大学特命研究教授)

            10月15日に「みらいーら自由に研究ラボ 探求賞 表彰式」を開催しました。「みらいーら自由に研究ラボ」は、子供たちが気になる材料を持ち込み、科学館の実験機器を使って実験・観察するイベントです。 今回は針山孝彦先生(浜松医科大学特命研究教授)からいただいた講評を紹介します。 針山先生のメッセージには、イベント参加者だけでなく、すべての子供たち、そして私たち大人の心にも響く「研究」の意味、大切さ、面白さがつまっています。 不思議に満ちた世界 世の中は不思議で満ちています。ミ

            自然観察園で穴を掘ったら、南アルプスと中央アルプスが出てきた話

            はじめに 「さぁ皆さん、今日は "穴" を掘りますよ」 「え?穴?(この人また変なこと言ってるよ…)」 noteではこれまで目線の高さの動植物だけでなく、地面の落ち葉や、そこで生きる動植物など、地表の生態系にも着目してきました。しかし、改めて考えてみると、地下環境には踏み込んだことがありません。 土の色は、黒色? 茶色? 砂っぽい感じ? 粘土っぽい? それとも石だらけ? 私は、今いる場所の僅か数センチ地下ですら、どうなっているのか全く知らないことに気づきました。そこで月

            【自由に研究ラボ2022】子供たちが気になる材料を持ち込んで実験機器を使って探究しました。

            はじめに今年の6月~8月に開催した「みらいーら 自由に研究ラボ」が無事に終了しました。 子供たちが気になる材料を持ち込んで、電子顕微鏡、生物顕微鏡、実体顕微鏡、解剖セット等の実験機器を使って自由に探究しました。 イカを解剖したり、納豆菌を見たり、クモの糸の強さを測ったり、プラントオパールを同定したり…。科学館職員も初めての経験が多く、勉強になることばかりで、とても刺激的な日々でした。 ・いつも見てるあの表面は、拡大するとどんな感じ? ・どうしてこんな動きができるのかな?

            映える水滴を撮ってみたい! ~植物の撥水性:ロータス効果とペタル効果~

            はじめに本日は自然観察園で「映える(ばえる)」写真を撮りたいと思います。 SNS(Social Networking Service)の普及によって写真を撮ったり見せたりする機会が増えました。たくさんの情報が流れるSNSでは、瞬間的に「すごい!」と感じる、いわゆる「映える」という形容詞が価値観の一つとして定着しています。 さて、自然観察園で映える写真を、と考えてみると一体何を撮ればよいでしょうか? 最近は猛暑が続いていますので、例えば「植物につく水滴」なんて涼し気で良い

            「まるだしくん」 MUSEUM CHARA AWARD 2022 にエントリー!

            科学館noteにたびたび登場するこのキャラクター、名前を「まるだしくん」といいます。好奇心が「まるだし」で、様々なことに興味を持っています。 日常の中に不思議を見つけた時、あなたの中にもまるだしくんは現れるかもしれません。 そんな「まるだしくん」が ミュージアムキャラクターアワード2022 にエントリーしました。 「まるだしくん、推したい!」と思ったら、ぜひご投票ください。 今後の活動の励みになります。 投票は9月8日(木)正午 まで。1人1日1票投票可能です。 投票

            科学館noteキャラクター「まるだしくん」

            はじめに科学館noteにたびたび登場する謎のキャラクター。 「いったい何者?」と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。 来場者の方から「あのキャラクター大好きなんです!イラストをいただけますか?」というご要望をいただくことがあります(即興で描かせていただきますので、お気軽にお声がけください)。 noteアカウントを開設して2年余り、記事の数も約50本とそれなりに蓄積してきました。満を持して今回はこのキャラクターを皆さんにご紹介したいと思います! 名前:まるだしく

            【自由に研究ラボ】職員と実験機器を貸し切りにして、気軽にとことん探究!

            浜松市の市政情報番組「浜松ふかぼり部」で当館のイベント「みらいーら 自由に研究ラボ」を取材していただきました。完成した紹介動画では、過去のnote記事に登場したクマゼミの卵やダンゴムシの進化など、身近な生き物の魅力的な一面を紹介しています。是非ご覧ください。 本記事は動画公開の告知をメインに紹介する予定でしたが、執筆しているうちにイベントを企画した意図や、イベントを通して子供たちに感じて欲しいことなど、様々な想いが溢れてきてしまいました。ざっくばらんな文章になってしまいまし

            水を吸って大変身!?「苔の劇的ビフォーアフター」をタイムラプスで撮影してみた

            はじめに「梅雨って雨ばかりで嫌い」 「そんなこと言わないで。植物にとって、この雨は『恵みの雨』なんだから」 梅雨の時期になるとラジオやテレビなどからよく聞かれる言葉「恵みの雨」。 確かに降水量が少ない空梅雨になると一部の野菜の価格が高騰しますね。 しかし普段の生活で農業や家庭菜園などを行わない、植物と直接的なかかわりが少ない人は体験的にあまり実感がないかもしれません。 そんな「恵みの雨」を、観察して体感できる身近な生き物がいます。 その生き物こそ、今回のテーマ「コケ植物

            お散歩が楽しくなる!「苔ミニガイドブック」を公開

            今年4月「地衣類ミニガイドブック」を公開しました。 科学館職員やボランティアさんに紹介したところ、大好評! 皆さんミニガイドブックを片手に、夢中でコンクリートや樹に張り付いて地衣類を観察していました。 「通勤途中に街路樹でコフキメダルチイ見つけちゃいました~」 良い傾向です。 完全に生き物観察の世界に片足を突っ込んでいます。 さて、今回は「苔ミニガイドブック」を公開いたします。 ※以下、「苔」を「コケ」と記述します。 ミニガイドブックのデータは下記リンクから無料でダ

            浜松科学館では生き物イベントをたっぷり開催しています

            はじめにいつも歩いている街中の通勤・通学路、公園、ハイキングコース。 その1歩1歩の間にもたくさんの生き物が生きていて、関わり合い、科学的な事象が起こっています。 浜松科学館では、そんな生き物たちとの「小さな出会い」や「小さな気づき」を大切に発信しています。 この記事では、浜松科学館がこれまでに開催した生き物に関連するイベントをご紹介します。 それぞれの催しの紹介に、当日の様子や生物学的、生態学的な情報をまとめた当館の公式note、ブログのリンクがございます。 詳細の情報

            お散歩が楽しくなる!「地衣類ミニガイドブック」を公開

            地衣類の世界を探検しよう突然ですが、下の写真は筆者自宅の駐車場です。 一見すると何の変哲もない風景ですが、よく見ると縁石の表面の一部分(白色矢印)がオレンジ色に変色しているのが分かります。 実は、これはコウロコダイダイゴケという地衣類(ちいるい)の一種。生き物なのです。 ※以下に地衣類の拡大写真が出てきます。集合体が苦手な方はご注意ください。 ルーペで観察するとこんな感じ。子器と呼ばれる生殖器官が、どら焼きのようで可愛いですね。日々使っている駐車場の縁石に、こんな面白い

            今日のチューリップは、昨日のチューリップよりも大きい

            見落としがちな変化新聞の片隅やファミリーレストランの卓上にある「間違い探し」。2枚の絵を見比べて、違っている箇所を見つけるゲームです。誰もが一度は遊んだことがあるのではないでしょうか? 試しに科学館の花壇を舞台にした間違い探しを作ってみました。2枚の絵には違うところが4つあります。ぜひチャレンジしてみてください。 答えは下へスクロールすると出てきます。 正解はこちら。 ① 日付 ② 花の色 ③ 花が開いている・閉じている ④ 花の大きさ ④の違いは僅かなもので、意地悪