ようこそ地底世界へ【浜松ミクロ散歩「鍾乳洞」前編】
「浜松のことをもっとよく知りたい!」
好奇心旺盛なスタッフが浜松科学館を飛び出して、浜松各地を訪問。
訪問先で出会った方々とふれあい、こだわりの商品などを科学館にある電子顕微鏡で観察して、ミクロから浜松を探っていく企画です。
訪れたのは東海地区最大級の観光洞窟「竜ヶ岩洞」。
猛暑日の続く夏には、ひんやり避暑スポットとしても大人気ですね。
1983(昭和58)年にオープンした竜ヶ岩洞。
一般公開されている全長400mの整備された洞内は、約50ヶ所の見学スポットがあり神秘的な景色を楽しむことができます。
竜ヶ岩洞は、鍾乳洞(しょうにゅうどう)といって、石灰岩という岩石が水の力によって削られてできた場所。
鍾乳洞の内部にできる、つららのような鍾乳石は1㎝伸びるのになんと約100年もかかるのだそうですよ。
今回は竜ヶ岩洞 職員の忠内さんに、大自然が作り出した鍾乳洞の世界をご案内いただきました。
地底世界の神秘 悠久の歴史を感じる鍾乳石
洞窟に入る前に、まずは鍾乳石のことを学ぶためにひとまず洞窟資料館へ向かった一行。
忠内さん
鍾乳石の種類は15種類あります。
鍾乳石は岩盤である石灰岩が水に溶けたものが堆積してできるんです。
忠内さん
洞窟内に、ポタポタって水が落ちてくるじゃないですか?
その時に一番最初は中が空洞になるんですよストローみたいに。
ストローに石灰が堆積してだんだん重くなってくるとつらら石になるんです。
小粥
ストローからどんどん外側が太っていくんですね。
忠内さん
ポタポタ落ちてくる水に溶けた石灰が床で堆積して大きくなったのを石筍(せきじゅん)。
上にできたつらら石と下にできた石筍がつながったのが石柱(せきちゅう)。
こういった滴り落ちた水によって形成されたものをドリップストーンって言います。
今紹介した、ストロー、つらら石、石筍、石柱の他にも、幕状に堆積したものもあり、これもドリップストーンの仲間ですね。カーテンとかベーコンなどと呼ぶんです。
小粥
石筍の断面は年輪みたいですごく綺麗ですね。
石灰岩は元は珊瑚とか海のものですよね。昔は海だった土地が今では陸地になって、それが水で少しずつ削られて堆積していって…という長い長い年月の積み重ねが鍾乳石を通して実感できますね。
忠内さん
15種類ある呼び方の中で11種類が竜ヶ岩洞の「鳳凰の間」というスポットで見ることができるんですよ。
早速、いってみましょうか。
忠内さん
洞内は、年間18度、湿度も90%くらい。みなさん、涼しいってイメージがあるから夏は大人気です。
実は、冬でも中は18度だから暖かい。冬は汗をかいちゃうくらいなんです。
小粥
冬でも快適な温度なんですね。
忠内さん
うちの売店で「いなさ竜ヶ岩洞熟成茶」というお茶を売ってるんだけど、引佐のお茶を洞窟内で約100日間ほど置いておいて熟成させたものなんですよ。旨味や甘味が増すんだそうです。
小粥
へえ〜!洞窟を天然の冷蔵庫として利用しているんですね。
なんかロマンがありますね。ぜひ飲んでみたい。
小粥
あ、すごい。帯状の鍾乳石だ。
忠内さん
これが先ほど説明したカーテンと呼ばれる幕状鍾乳石です。
流れる水に沿って形成されるんです。
だいたいこの辺で洞窟の半分くらい歩いて来ました。
忠内さん
次は「白蝋の間」っていうスポットです。あそこに「天女の鏡」って書いてある文字が逆さまになっているのがわかりますか?石灰岩が水で削られてできたところに水が溜まって、水面が鏡みたいでしょう。
小粥
人が作ったみたい。たんぼのようですね。
忠内さん
緩い傾斜を少しずつ水が流れて水たまりを形成し、溶けていたカルシウムが堆積して棚田のようになるんです。棚田の畔に当たる所をリムストーンと呼びます。これも鍾乳石の仲間です。
水がすごく綺麗なので天井の鍾乳石が水面に映ってあっちにも洞窟があるように見えるでしょ。逆さまの「天女の鏡」の文字も鏡に映ったように読めるでしょう。
小粥
本当だ。すごく綺麗。
「天女の鏡」って鏡文字がしっかりと読めますね。
小粥
おお〜!豪快な滝があります!
メインスポットの「黄金の大滝」ですね。
忠内さん
そうです。
最近は雨が降ってないんで水は少ないですね。
小粥
え〜!これで少ないんですか。雨の日の滝も見てみたいなあ。
忠内さん
これは流れ石。ここ一帯は、全部鍾乳石です。
流れる水によって岩壁を覆うように堆積するとこのようになるんです。
小粥
よく鍾乳洞というと、つらら石などのイメージが強いですが、水の流れや落ち方によっていろんなパターンがあるんですね。
この流れ石は、一見するとなんか柔らかそうですね。
忠内さん
ここは「石柱の宝」というスポットで、ストロー、つらら石、石筍、石柱、カーテンの全ての形が見られる場所なんですよ。
小粥
どうやってストローから石柱にまで進化するのかわかりやすいですね。
僕は、ちばてつやの「おれは鉄兵」っていう漫画でこの辺は覚えましたね(笑)
忠内さん
ここは「水神様」。青色の照明を当てて、インスタ映えするスポットにしました。
小粥
水が綺麗ですね。
ライトアップも幻想的でエンターテイメント性のある部分と環境保全に配慮している部分と棲み分けがされてますね。
忠内さん
最近はインスタ映えするようにライトアップにも頑張ってますよ。
小粥
(ふと洞窟の壁を見て)あ、この壁!よく見ると掘削した痕ですか。
掘削機が通った痕っぽい横線が無数に見えますね。
忠内さん
そうそう。掘削した痕です。
水神様の奥の方を見てもらうと空間があるのがわかりますか。
もともとそこから掘りすすめていたんだけど、「鳳凰の間」の鍾乳石が綺麗なのでそこは残して、迂回路として人が歩くために今いるこの通路を別で掘ったんですよ。
小粥
これは見事ですね!水の中にもバラのような模様が見える…。
忠内さん
水の中には石花(せっか)という鍾乳石があります、炭酸カルシウムが結晶化したものですね。
小粥
へ〜。水の中で結晶化するんですね。
滴りが壁についたのが結晶になったものかと思っていました。
小粥
鍾乳石には随分と白っぽいものもあるんですね。
忠内さん
不純物が入らないと本当は真っ白になるんですよ、
鉄分とか銅が入ってくると色が変わるんですね。
小粥
水質によって変わってくるんですね。向こうにあるのはグラデーションになってますね。
ちょっとした位置の変化で色が変わりますね。この数十センチで水質が違うんだ。
面白いですね。
忠内さん
売店の方にもっと純度の高い、方解石(石灰の結晶)が保管してあるのでそちらをお貸ししましょう。
滅多にとれないので貴重なんですよ。ぜひ、電子顕微鏡で観察してみてください。
忠内さん
あとは、バックヤードに鍾乳石が保管してある部屋があるのでそちらにもご案内しましょう。
忠内さん
ここにあるのは昔掘った鍾乳石です。
小粥
洞窟が発見されて整備される過程で入手した鍾乳石なんですね。
忠内さん
そうそう。ここにある鍾乳石は商品として売店で販売していますよ。
小粥
竜ヶ岩洞の鍾乳石は買うことができるんですね。買ってお家に持って帰れちゃう。
忠内さん
ここはもともと「加工場」って呼んでいて、鍾乳石を綺麗に加工したりした場所です。
今はやる人がいなくなったので、その時のまま残しています。
こっちにあるのはツララ石ですね。
小粥
こんなにたくさん!すごい細かい断面。
洞窟の外だと細部がはっきり見えて興味深いですね。
竜ヶ岩洞 開発の歴史
忠内さん
昔の資料館がまだ残っているんですが、見てみます?
小粥
ぜひ!
忠内さん
ここは洞窟から少し離れた場所にあるので、今は洞窟を出てすぐのところに移転したんです。
小粥
展示がまだ残ってますね。
お〜、石灰の用途まで解説してる。
コンクリートの材料でもありますからね、石灰は。
小粥
(パネルを見て)ふむふむ、元々ここでは、石垣用の石灰岩の採石が行われてたんですか。
竜ヶ岩洞さんは戸田建設さんが経営してらっしゃいますよね。
戸田建設さんがここで事業されているきっかけは石灰岩掘削がスタート?
忠内さん
いいえ、戸田建設は建設業をやっていました。
パネルにもあるように、ここはもともと石灰を掘っている山でしたが石灰が取れなくてやめたそうです。それを戸田建設の初代戸田社長が買ったんですよ。始まりはそこからになります。
小粥
竜ヶ岩洞開発者の戸田貞雄さんですね。
忠内さん
その頃には、鍾乳洞も入口から少しまでは入ることができたそうです。
実は、江戸時代の時から洞窟の存在は知られてはいたんですよ。洞窟って信仰の対象になるので、地元の人はそこに入っては拝んでたりしたらしいですね。
でも、それ以上奥にも洞窟は続いているんじゃないかっていうので、もっと奥まで掘っていって大きな鍾乳洞が発見されたんですよね。開発当時の写真は洞窟資料館でご覧になれますよ。
小粥
あ〜すごい!
これは楽しそう。危険は伴いますが…。
忠内さん
いや〜(笑)、楽しいかなあ〜?
小粥
楽しくはないか(笑)
でも、写真に写っている作業員の方たちがみんな楽しそうに見えました。
忠内さん
確かにイキイキとしてるかもしれませんね。
竜ヶ岩洞で一般公開している洞窟はUの字になってます。
忠内さん
実は1号洞、2号洞、3号洞、4号洞とあるんですよ。
全部入れたら1kmぐらいになるんですが、一般公開してるのは1号洞と4号洞なんですよね。
小粥
なるほど。
1号洞と4号洞が繋がってUの字になっているんですね。2号洞と3号洞はあるけど、そこは使われていない?
忠内さん
位置的には、この洞窟資料館があるのが4号洞。この上に3号洞があります。
1号洞の上には2号洞があります。
3号洞は綺麗な鍾乳石があるので手をつけないで誰も入れないようにしています。
時々、東大の先生が見にきて調査していくんだけど、普段は鍵をかけています。
小粥
なるほど、学術用に保管といいますか。そういう場所もあるんですね。
忠内さん
2号洞は夏休みにお子さんたちを招いて洞窟探検教室っていうのを開催しています。
小粥
へ〜!特別なイベントも開催しているんですね。
忠内さん
そこは電気も何にも入ってないので、ヘッドライト付きのヘルメットを被ってドロドロになって探検します。
静岡大学に探検クラブという日本中の洞窟を探検しているサークルがあるんですけど、彼らがここで練習するんですよ。
そのサークルの大学生が、探検教室の時には手伝いに来てくれます。
小粥
そんなサークルがあるんですか!楽しそう。
忠内さん
展示にあるような、こういう格好して洞窟に入っていくんです。もう泥だらけになりますよ。
小粥
僕も子どもの頃に泥だらけになって洞窟を探検したことがあるんですけど、どこの洞窟だったのか覚えてないんですよね。
もしかしたら竜ヶ岩洞の教室だったのかな?かなりワイルドな体験だった思い出です。
忠内さん
本当の暗闇ってあるんですよね。洞窟の中って本当に真っ暗闇だから、子ども達は最初怖がりますね。
一緒についてきたお母さんたちに「大丈夫!大丈夫!」って励まされながら進んでいきますよ。
小粥
そんな真っ暗闇の中での作業は大変だったでしょうね。
(写真を見て)粘土をかき分けるように前進って、これはキツイな。
建設業を生業としていたこともあって、掘削はお手のものだったんですかね。
忠内さん
建設工事の技術があったから、たったの2年で開発からオープンまでしちゃいましたからね。
1981年(昭和56)に開発に着手して、1983年(昭和58年)にはもうオープンしてますから。
小粥
2年はすごいスピード感。
洞窟の中が見たいっていう情熱を持った人がいて、開発できる土壌があったこと、戸田建設初代社長の理解があったこと、名古屋大学の学術的なサポートもあってのことですよね。
それにしてもすごいことですね。
忠内さん
「喜びの窓」っていうスポットが洞内にあるんですが、昔はそこまでは入れたそうです。
そこで行き止まりだったんですが、そこを手掘りで掘ってなんとか突破して、洞窟がさらに奥に続いていることがわかったんですね。
開通する前は「うらみの窓」なんて呼ばれていて、狭くて掘りにくい難所だったんですよ。
忠内さん
最初は周囲の理解が得られず反対にあったりなど苦労もあったみたいですね。
詳しいことは「竜ヶ岩洞物語」という漫画にもなってますので、ぜひ読んでみてください。当時、開発に関わった者が監修してますので内容的に事実に基づいているんじゃないかなと思いますよ。
暗闇に生きる 洞窟の生き物
忠内さん
そろそろ、コウモリの食事ショーの時間ですが見て行かれますか。
東南アジアのコウモリです。日本のコウモリじゃないですけど目が大きくて可愛いですよ。
小粥
コウモリの食事ショー!ぜひ見てみたいです。
飼育スタッフさん
それではお時間となりましたので食事ショーを始めたいと思います。
実はですね、コウモリというのは臆病な生き物なんです。コウモリというとなんとなく怖いイメージをお持ちの方が多いと思いますけど、全然そんなことはないんです。
飼育スタッフさん
こちらのコウモリはルーセットフルーツコウモリと申します。インドネシアからミャンマーといった暖かい国に住んでいるコウモリで、今から30年ほど前にインドネシアから輸入して、30年間飼育を続けているコウモリになります。
飼育スタッフさん
なんでここにいるのは日本のコウモリじゃないんですかって聞かれることがあるんですけど、日本のコウモリは今からお入りいただく洞窟の中に住んでおります。実はウジャウジャと洞窟の中に住んでいるんですけどね、残念なことに今入っても日本のコウモリは出てきません。
なぜかと申しますと、日本のコウモリは完全な夜行性。夜に動くタイプですので日中は寝ております。
天井の高いところに隠れて寝ているので見ることができないんですね。
飼育スタッフさん
こちらのルーセットフルーツコウモリは、半夜行性ということで昼間でも動くことができます。なので、このように「ご飯ちょうだい」って集まってくるんですね。
今から与えるご飯は、みなさんもよく知ってる食べ物です。実物をお見せして説明したいのですが、コウモリさんたちが邪魔で見えておりません!
飼育スタッフさん
リンゴとバナナとパイナップルを食べております。そして、こちらのコウモリは冬眠しません。熱帯に住んでいるコウモリなので、一年中この部屋の中は28度から30度くらいにしております。サウナみたいに暑くなっております。
そういったわけで、冬眠をしないので冬でも手に入りやすい果物をメインに与えております。
かなり興味深いですが、この記事ではここまで!
続きが気になる方はぜひ現地に行ってショーをご覧くださいね。
スタッフさんの軽快な語り口で楽しくコウモリのことを学ぶことができますよ。
小粥
食事ショー、すごく面白かったです。臆病なはずのコウモリがあんなに懐いているなんてすごいですね!
忠内さん
ありがとうございます。飼育を担当している職員が4人くらいいるんですが、
ちゃんと顔を覚えていて、僕なんかが入ると全部逃げちゃうんですよ。
小粥
しっかり飼育員さんを認識しているんですね。ますます愛着が湧いちゃいますね。
小粥
洞窟の中にはたくさんの生き物が暮らしてますよね。
私、実は大学生の頃に洞窟とかガレ場(※)を掘って、暗闇の生物を研究してたんですよ。
竜ヶ岩洞ではメクラチビゴミムシが見つかってるんですよね!
僕、オオズナガゴミムシっていう似たようなゴミムシの新種を見つけたことがあるんです。
(※ガレ場…岩がゴロゴロと積み重なった場所)
忠内さん
へえ〜、そうだったんですか。“オガイ”オオズナガゴミムシって名前にしましたか?
小粥
記載論文の方に私の名前が入ってます(笑)。
「Pterostichus nagasawai(プテロスティクス・ナガサワイ)」と一緒に調査してたナガサワと言う後輩の名前が学名についてます。
忠内さん
豊橋に豊橋自然史博物館ってあるじゃないですか。
そこにも、いろんな虫を研究されている方がいて、この前、洞窟の中の虫を調べたいと、ずっと水の中に入って調査してましたよ。
小粥
ヨコエビとかミズムシとかの調査ですかね?ダンゴムシじゃないけど足がたくさんあるやつ。
忠内さん
メクラエビだったかな?竜ヶ岩洞にいますねって言っていました。
僕はちょっと見れなかったんですけど、後からそういうふうに聞きました。
小粥
それ見たいなあ〜!生きたメクラヨコエビはまだ見たことないんですよね。
今日は残念ながら装備がないけど、ぜひ今度お邪魔させてください。
忠内さん
既にご存知だとは思いますが、他にも色々な生き物が生息しています。
コウモリはもちろん、トビムシとか、カマドウマとかも。
小粥
あ!学生のころガロアムシもよく獲りましたね。
オオヤドリカニムシ!
おお!ヒラタゴミムシもいるんですね!これも獲りましたね。
それと、メクラヨコエビ!
(キャプションを見て)6mm!大きいな!
忠内さん
おそらく見れないとは思いますが、もし良かったら、発見場所を見て行きますか。
小粥
ありがとうございます!
忠内さん
ヨコエビはここにいたんです。ヨコエビポイントですね。
小粥
ほう…、神聖な感じがしますね。
よくこんな餌が少ないところで…(しみじみ)。
土の底に模様がありますね。生き物の痕跡なのかも。
忠内さん
もともとこことは違う場所で発見されたらしいんですが、その場所にはこの前はいませんでしたって言っていました。
※後日、この場所を調査しましたが、残念ながらメクラヨコエビは見つかりませんでした。また別の場所でリベンジします!
小粥
なるほど。住処も変わっているんですね。
先ほど、食事ショーで洞窟の中のコウモリは昼間はなかなか見られないって話でしたけど、忠内さんはコウモリ見たことありますか。
忠内さん
コウモリは、朝や夕方に洞窟を点検してる時に飛んでいるのを見ることがあります。やはり時々見れるかなくらいの頻度です。
春になると冬眠から出てきてコロニーという集団を作ります。朝来るとコロニーの下に糞が溜まっていることがあります。
小粥
へ〜!多分、そういうところにトビムシとか他の生き物も餌を求めてやってくるのかもしれませんね。
いいですね〜!洞窟の生き物たちを紹介するのも面白いかも。
取材を終えて
小粥
この石垣も石灰岩だ。
忠内さん
そうそう、よく気がつきましたね。
そういえば、岩石の勉強ができる場所が外にもありますよ。
前の支配人が地質のことが好きで、地質学会に入ってすごく勉強していました。
静岡県の中学や高校の理科の先生方が、勉強でここを訪れて支配人が案内していました。
小粥
岩が採石された産地も書かれているんですね。
お、竜ヶ岩洞の石灰岩見つけた!
一個一個が大きくてダイナミックな展示ですね。
やっぱり博物館だと室内だけど、屋外の自然に近いところでみると見方が変わって面白いです。
忠内さん
君が代に出てくるさざれ石もあります。売店にも売っているから「これがあのさざれ石か」と言って皆さん買っていくんですよね。
小粥
洞窟資料館にもさざれ石の展示がありましたよね。
さざれ石って砂や泥が堆積したものじゃなくて、粒の小さな石を石灰がセメントのような役割をして固めてできたものなんですね。
石灰岩って、様々なシーンで私たちの生活に欠かせない身近な存在ですね。
洞窟の世界、いかがでしたか。
真っ暗なのがちょっぴり怖くもあり、でも、神秘的な地底の景色に心がときめきますよね。
子どものみならず、大人の私も冒険心をくすぐられました。
洞窟に住む生き物の世界もかなりディープ。洞窟には珍しい生き物がたくさんいるんですね。小粥のテンションも急上昇!学生時代の話も飛び出して、とても盛り上がっていました。
そして、今回の小粥の研究テーマはスバリ「鍾乳石」。
同じ石灰で出来ているけれど、全く見た目が違う鍾乳石。電子顕微鏡ではどのように見えるのでしょうか。
小粥による解説記事では、ミクロの世界から鍾乳石の不思議に迫ります(後日公開予定)。
さらに、竜ヶ岩洞開発者である “サーチャ” こと 戸田貞雄さんが主人公の漫画「竜ヶ岩洞物語」を献本いただきました!科学館の図書コーナーで閲覧可能です。
私も以前読んだことがありますが、読み出したら止まらなくて一気に読んでしまいました。サーチャがほんとに熱い男なんです。
これを読んでから竜ヶ岩洞を訪れると、洞窟探検が倍楽しめて、竜ヶ岩洞のことがもっと好きになりますよ!
竜ヶ岩洞の売店でも販売しています。ぜひ、読んでみてくださいね。
◆ 取材協力
竜ヶ岩洞
◆ 記事執筆
黒川夏希(ウィスカーデザイン)