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105歩で生き物観察

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浜松科学館自然観察園は地域の方々のお散歩ルート。歩道は端から端まで105歩。普通に歩けば1分足らずで通過してしまいます。 その1歩1歩にもたくさんの生き物がいて、関わり合い、科学…
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#探求学習がすき

こたつでミカンをじっくり観察

12月も終盤。この記事が2021年最後の配信となります。 本年もお世話になりました。 来年もよろしくお願いいたします。 年の瀬になりぐっと寒くなりましたね。 こたつの中で温まりながら、この記事を読んでいる方もいるのではないでしょうか。 こたつといえば・・・そう、ミカンですね! 今回はミカンをじっくりと観察したいと思います。 ぜひお手元にミカンを置いて、読んでみてください。 ヘタを観察してみようまずはヘタに注目してみましょう。 ミカンのてっぺんの緑色の部分がヘタです。

科学館で「ヒアリ」を探した話

はじめに「ヒアリだ!」 自然ゾーンにアリの模型があります。この模型を見た多くの人は「ヒアリだ!」と言います。 残念、ハズレです。 (こんな大きなアリがいたら地球はアリの惑星になっていたかもしれません・・・) 正解は、日本に昔から生息する「トビイロケアリ」です。ヒアリと答えた人に「どうしてヒアリだと思いましたか?」と尋ねると「茶色いから」とのこと。 私たちの身の回りにはたくさんの在来種のアリ(以下、在来アリ)が生息していて、その中には茶色の種も多くいます。日常的にアリを観察

何に巻き付く? ヤブガラシのスマートな生存戦略

はじめに秋も終盤。そろそろ大掃除を計画する方も多いのではないでしょうか? 自然観察園ではボランティアの皆さんとゴミ拾いや樹木の剪定など、「整備活動」という名の大掃除をしています。 整備活動の目的は大きく2つです。 しかし、2つの目的が時として相反することがあります。その1例が今回の記事の主役「ヤブガラシ」です。 ヤブガラシはブドウ科の1種。 5枚一組の複葉をもつ、つる植物です。周囲に巻き付く性質があり、巻き付いた植物を枯らしてしまう程の勢いで繁茂することから「藪枯らし

落ち葉で陣取り合戦:ツバキの葉を分解する菌類たち

はじめに「キノコ」と聞いて何を思い浮かべますか? 炊き込みご飯、マイタケの天ぷら、マッシュルームのアヒージョ、マツタケの土瓶蒸し…キノコは私たちの生活の中で「食品」として馴染み深い存在です。なんだかお腹が空いてきましたね(笑) 残念ながら小学校の理科では登場しないキノコ。中学校でキノコを含めた菌類たちを「分解者」として学びます。彼らは自然界で落ち葉や倒木、動物の死体などを分解する重要な役割を果たしています。 食べると美味しかったり、森の掃除屋さんとしての役割を持つ菌類たち