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105歩で生き物観察

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浜松科学館自然観察園は地域の方々のお散歩ルート。歩道は端から端まで105歩。普通に歩けば1分足らずで通過してしまいます。 その1歩1歩にもたくさんの生き物がいて、関わり合い、科学…
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#哺乳類

ネコとヒトの「見え方」の違いから「生き方」の違いが見えてくる話。

仕事がいつもよりも早く終わり、「ちょっと時間が空いたなぁ」というある日の夜、懐中電灯を持って自然観察園を歩いてみることにしました。 もしかしたら昼とは違った夜の世界が広がっているかもしれません。 クロちゃんとの出会い少し恐々自然観察園に入ると、ジッとこちらを睨む黒猫に出会いました。 猫の顔に懐中電灯の光が当たると、眼がランランと輝きます。 これまで一度も見かけたことがない黒猫との出会い。 ※ここでは、クロちゃんと呼びましょう。 やはり私の知らない自然観察園がそこにありま

「おしっこ」から脊椎動物の進化をみてみよう。

皆さん、今回のテーマは「排泄物」です。 「糞」「おしっこ」が連発しますので覚悟してください(笑) 自然観察園を歩いていると、遊歩道のコンクリートの上にたくさんの鳥の糞が落ちていました。 白黒のいびつな円形。 朝、これが車のフロントガラスに付いていると、とても残念な気持ちになりますね。 糞の中にはボコボコとした植物の種子も含まれていました。 この白色の星型のように美しい造形物はセンダンという樹木の種子です。 秋から冬にかけて、センダンの樹には白色のチョコボールサイズの果実が

コウモリは手のひらで空を飛ぶ。

生き物たちが動き始める啓蟄(けいちつ)が過ぎ、自然観察園のオオシマザクラも咲き始めました。いよいよ本格的な春到来!といった感じですね。 コウモリの指は翼の一部今月下旬には冬眠していたコウモリたちも活動を開始することでしょう。自然観察園が位置する浜松の市街地では、主にアブラコウモリを見ることができます。 アブラコウモリは、私たちヒトと同じ哺乳類に属します。夜間に池の水面や畑など開けた場所を飛翔しながら、飛んでいるハエやカメムシなど小型の昆虫を捕食します。人家の瓦の下や戸袋の