科学館スタッフと電子顕微鏡を1時間貸し切りにして、子供たちが興味あるものを拡大観察しました。
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科学館スタッフと電子顕微鏡を1時間貸し切りにして、子供たちが興味あるものを拡大観察しました。

浜松科学館では、今年4月に科学館スタッフとデジタルカメラ、電子顕微鏡を1組1時間貸し切りにして、子供たちが持ち込んだものを観察できるイベント「1倍から30,000倍まで!超拡大ラボ」を開催しました。

小中学生を対象に募集し、イベント当日に自分が拡大したい対象(試料)を持ってきてもらいました。持ち込まれた試料は、昆虫や植物から、お札や宝石、抜けた乳歯まで、正に千差万別。筆者も驚きの連続、とても刺激的な毎日でした。

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子供たちの
・いつも見ているものの表面は拡大するとどんな感じ?
・どうしてこんな動きが出来るのかな?
・あれとこれを比べてみたいな
そんなモチベーションを大切に、1組1組じっくりと観察をすすめていきました。

ここでは掲載許可をいただいた25組を対象に、デジタルカメラ・電子顕微鏡で撮影した写真と、子供たちが観察をとおして感じたこと、分かったこと、考えたことをご紹介します。様々な倍率で観察することで、身近な日用品や生き物にもこれまで気づかなかった発見があるかもしれません。
電子顕微鏡を用いた研究の権威である浜松医科大学の針山先生の講評とともにお楽しみください。

※浜松科学館では、6月5日(土)~27日(日)に「超拡大ラボ写真コンテスト」と題して本記事と同様の内容の展示会を開催しております。
ご来館の際は是非ご覧ください(詳細↓)


宇宙リップ

くらた ゆうこ
材料:『チューリップ』

図1

◆ 気づいたこと
チューリップの花びらの表と裏では、全然似ていなくてびっくりしました。表は、なみなみの線でした。裏は、宇宙に星があるみたいでした。花粉は丸いと思っていましたが、ふにゃふにゃでした。大きくして見たら、いつも見ている物とは全然違うなと思いました。

◆ 針山先生のコメント
チューリップの花びらの裏と表ってこんなに違うんですね!何でだろう?チューリップは日中は開いて夜は閉じますね。原種のチューリップはきっと虫に花粉を運んで貰って種を作っていたのかな?だとしたら、日中はなみなみの線のある表面が光を良く反射して、虫に花のありかをしっかり見せて、夜は星のように見える凸凹構造が光の反射を防いで目立たなくしているのかな?ふにゃふにゃの花粉をはじめて教えて貰えました。素晴らしい観察力です。


公園のみんなの観察

大井 森
材料:『苔、落ち葉』

図2

◆ 気づいたこと
僕は公園の苔を観察しました。まず自分の目で見たら『小さいなぁ』と思いました。次に、家の顕微鏡で見たら枝分かれしていて『木みたいだ』と思いました。そして、電子顕微鏡で見たら茎と葉の区別がなくて、びっくりしました。葉の表も裏もボコボコしていて、木とは違いました。調べたらケヘチマゴケかその仲間という事が分かりました。他にも、落ち葉の中の小さな虫を観察して、顔や足を見ることができて楽しくて面白かったです。

◆ 針山先生のコメント
昔、コケのことを学校で習った時は、コケ植物は葉と茎を区別できないって習いました。でも、大井さんが電子顕微鏡で観察したらはっきりとした表面構造の違いがありますね。すごい!自分で見てみるって大切なんだなって思いました。研究を続けて、他のコケでも同じような葉と茎の違いがあったら教えてくださいね。コケの中に棲んでいる幼虫も面白いですね。体中に毛が生えているのはなんでだろう。脚のような部分も見えますね。コケの中で歩くのかな?


ヒマラヤスギの種子のはね、拡大したら凄かった

土岐佳鈴
材料:『ヒマラヤスギの種子のはね部分』

図3

◆ 気づいたこと
まず、表面の様子が表裏違うことがわかりました。図3の面では筋が複雑でマジックテープのように種を本体にくっつける働きをしているのではないかと考えました。逆に図4の面は筋を真っ直ぐにすることで隙間にうまく入り込めるようになっていると考えました。次に、断面の様子から筋の中は空洞になっていることがわかりました。これは、重量を軽くして、少しでも長く風にのるためだと考えました。

◆ 針山先生のコメント
電子顕微鏡で観察したヒマラヤスギの種子をはじめて見せてもらいました。すごく複雑な表面構造をしているのですね。これって、細胞から出来ているのかな?それとも細胞の分泌物が固まったものですか?どうやって生物がこんな形を創れるように進化してきたのだろう。人間がこのようなものを工作してつくるとしたら、とんでもない時間がかかりますね。写真を見た後の土岐さんの考察力すごいですね。「なんでだろう」って考えることって楽しいですね。


不思議な葉っぱ

陸 彩嘉
材料:『 3種類の葉っぱ(①番はつるつるの葉っぱ、②番はモフモフの葉っぱ、③番はシダ類の葉っぱ) 』

図4

◆ 気づいたこと
①の裏に穴がいっぱいありました。②の裏に細い毛がいっぱいありました。小さい穴もありました。③はきれいなギザギザパズルの模様になっています。裏にコーヒー豆のような構造も見えた。葉っぱ裏の穴やコーヒー豆みたいなものは気孔です。①の気孔が目みたいで、面白かった。それぞれ気孔の大きさ、数、開き具合が全然違う、それは一人一人の個性だと思います。
葉っぱって、本当に不思議だね!

◆ 針山先生のコメント
面白い!ね。①の裏は気孔だらけなんだね。あー、②の表が気になる。つるつるかもしれない。②の4方向に手を伸ばしているように見える毛のようなモフモフは何のためだろう。虫に食べられないように、虫が歩くことを邪魔しているのかな?細い毛は少しずつ違うのに、それぞれ4本の毛を出しているんだね。葉が大きくなる前はどんな風になっているのかな。コーヒー豆のような凸凹はなんだろう。③の裏のしわしわ構造は、シダ類の葉っぱに似ているね。


たんぽぽの種にはツメがある!

岡部 心咲
材料:『たんぽぽの綿毛』

図5

◆ 気づいたこと
たんぽぽの綿毛をデジタルカメラで撮った写真を見て、種がギザギザしていていることに初めて気づいてバナナみたいと思いました。電子顕微鏡で見るともっとギザギザでドラゴンフルーツみたいです。もっともっと拡大したら恐竜のツメみたいに見えました。それあとに種に触ってみたら、指先でギザギザを感じました。それはきっと種が地面に落ちたときにとばされないようにしがみつくためだと思いました。理由がわかって楽しかったです。

◆ 針山先生のコメント
ワーすごいね。タンポポの種の部分てぎざぎざなんですね。それに図3のようにこうばいにしたら図2の低倍の写真のトゲトゲのところの間にも、小さなトゲトゲがあるんですね。はじめて知りました。ありがとう。あれ、気になったのは羽の部分。羽の部分もトゲトゲなのかな?生き物は、炭素と水素という同じような分子や元素を使って、同じ遺伝子で‘ものづくり’をしています。遺伝子という設計図をどうやって変えて生き残ってきたのだろう。


通学路に咲く八重桜

伊藤 光磨
材料:『八重桜の花』

図6

◆ 気づいたこと
毎年通学路に春になると咲く八重桜の花びらが、どうなっているのか拡大して見てみたかったので、観察してみました。分かったことは、花びらの表と裏が違う表面をしていると言うことでした。とてもビックリしたし、凄いと思いました。

◆ 針山先生のコメント
そうだね。ビックリだね。表の方が裏に比べて一つ一つの塊が小さいね。これって細胞と呼ばれる生物を作っている単位の構造かな?どうやって場所ごとに違いを付けることができるんだろう。図1を見ると花びらの中心の方が赤いね。花びらの場所によっても一つ一つの塊の大きさが違うのだろうか?不思議だね。自分で見てみるって楽しいね。雌しべの裏に気孔があることはじめて知りました。やっぱり、実験してみると新しい発見があるね。


アダンソンハエトリの脚の秘密

山本 寧々
材料:『アダンソンハエトリ』

図7

◆ 気づいたこと
歩脚の裏側の毛はヘラのようになっていた。拡大すると、さらに細かな毛があり、毛先が少し膨らんでいた。そこにはヤモリと同じように分子があり、壁面などに張り付くことができるのは、その分子と、ものの分子が引き合う「ファンデルワールス力」によるものだと考えた。また、ヘラ状になっているのは力が入りやすいからなのではとも考えた。以上のことから、ハエトリグモが主に捕食するハエの脚も、同じ構造なのではないかと思う。

◆ 針山先生のコメント
ハエトリグモの脚の先って、たくさんの細かな毛があるんですね。ファンデルワールス力ってすごいね。どんな力なんだろう。どうして毛がたくさんあるとくっつくことができるんだろう。ハエトリグモってジャンプしてハエを捕まえるね。ファンデルワールス力で天井にもくっつくことができる力が働いているのに、どうしてあんな軽快なジャンプができるんだろう。ヤモリの脚の毛と、ハエトリグモの毛の太さは随分違うみたいだよ。なんでだろう?


アブラムシの観察

関 鷹星
材料:『ソラマメヒゲナガアブラムシ』

図8

◆ 気づいたこと
アブラムシについて電子顕微鏡で観察して特に気になったのは、おしりの3本のトゲです。調べたら、左右の2本は角状管で警告フェロモンの吹き出し口でした。仲間に危険が起こった事を知らせるためです。そして、真ん中のトゲの先の部分は尾片です。働きは蟻に蜜をあげることです。僕はアブラムシにはあまり興味はなかったですが、観察してみるとすごく面白かったのでこれからもこの経験を忘れず色々観察してみたいです。

◆ 針山先生のコメント
すごい観察力ですね。3本のトゲの役割まで調べてすばらしい。角状管の先っぽ、面白いですね。右側の二つの穴からフェロモンが放出されるのかな?蜜を出す尾片の先は、ネバネバした蜜が出やすそうな構造でしたか?アブラムシの写真も、おしりの3本のトゲの電子顕微鏡写真もしっかりと焦点があっていて、コントラストもきれいですね。これからも、気になったものをどんどん観察して、写真を撮ったり、気付いたことをノートに書いたりしてください。


ありのふしぎ

河合 舞王
材料:『あり』

図9

◆ 気づいたこと
ありの目をかく大してびっくりした。トンボやハチのように、複眼を持っていた。ありも昆虫だった。ありは、口でこきゅうをしていないそうだ。いったいどこで?おしりにある気門という穴でしている。どうしてだろう。ありは土の中でくらしているので、口に土が入ってはこまるからだろうか。他の昆虫たちはどうなのだろうか。人間の体の作りとはちがって、ふしぎだ。

◆ 針山先生のコメント
このアリはどこに棲んでいるのかな?面白い形の複眼ですね。まん丸のように見えますね。複眼の一つ一つの凸構造は個眼のレンズなんだけどいくつあるのかな?この写真から数えてみたら205個あったよ!アリはどんな世界を見ているのかな?気門も面白いね。穴の大きさはおおよそ4μmぐらいかな。1mmの千分の1が1μmだから、ものすごく小さな穴だね。そんな小さな穴なのに空気が通るんだね。どうやって空気を体にいれているなかな。生き物って面白い!


発見!蟻の成虫と幼虫の違いと同じところ

疋田 琳太朗
材料:『蟻の成虫と幼虫』

図10

◆ 気づいたこと
幼虫の触覚は短く、成虫は長く曲がっている。どうやって曲がっていくの? 成虫の方が沢山毛がある。人と同じで、毛で体を守っているの? 息を口でしているのではなく、体、尻、節の部分にある穴で息をしている。それは、幼虫にもあって、幼虫もちゃんと息をしている証拠。息を沢山しないと苦しくなるから、穴が沢山あるの? 不思議な液をつけたから爆発しないで観察ができると聞いたので、液のパワーはすごく強い。

◆ 針山先生のコメント
「気づいたこと」の文章が、詩のようでとても素敵に感じました。実験して観察した力もすごいです。疋田君は、虫が好きですか?虫の呼吸のことも考えられるってすごいことだと思います。呼吸をしていないと、体の中に空気(酸素)が届かなくなってしまいますね。そしたら、体を作っている一つ一つの細胞も生きていられなくなってしまいますね。生物を取り巻く環境も、生物そのものも、とても大事なものですね。これからもいろいろと観察してください。


こんなところにハニカム構造

戸田 なつみ
材料:『マダガスカルゴキブリ(メス)』

図11

◆ 気づいたこと
マダガスカルゴキブリは、大きく厚めだったので、真空状態にするのに最初は苦労しました。観察前に私が見たかったところは、触覚・足・尾突起でした。でも、始めに見た胸のあたりの表面を拡大してみたら、ハニカム構造になっていて驚きました。ハニカム構造は、少ない材料で強度を高められると聞いたので、昆虫の体は無駄のない構造になっているのかもしれません。ほかにも、足の爪には、波のようなしわがありました。

◆ 針山先生のコメント
え、ゴキブリの研究!すごい!ハニカム構造は、強度が高められるんですね。そういえば、強度のある蜂の巣がハニカム構造ですね。なんでハニカム構造にすると強度が高まるんだろう?物理学も生物学も勉強したくなるね。皆で勉強しておしゃべりして、自然を考えることって楽しいね。昆虫のクチクラ(一番外側の、外骨格と呼ばれる固い部分)は、細胞がはき出した分子が、勝手に固まるらしい。勝手に固まったのがどうしてハニカム構造を作れるんだろう。


タマムシの足がつるつるしたカベにくっつく理由

中村 陽冶
材料:『昆虫の足』

図12

◆ 気づいたこと
タマムシはつるつるしたケースのカベを自在に登っていたけれど、ヒラタクワガタとシロテンハナムグリはカベを登れませんでした。電子けんび鏡でみると、タマムシの足だけに細かいエリンギのような形のものがびっしりと生えていました。先のほうがタコのきゅうばんににているので、これがくっついて落ちないようになっているのかもしれないと思いました。

◆ 針山先生のコメント
シロテンハナムグリの電子顕微鏡写真も見たいな!ハナムグリはお花や葉っぱの所にいるね。タマムシもエノキの葉の上を歩くよ。クワガタは、木の幹でよく見つかるね。棲んでいる所が違うから脚の上の構造も違うのかな?エリンギのような構造があるとどうしてつるつるの所を自在に歩けるんだろう。クワガタもタマムシも脚の先には鉤状構造があるんだね。タマムシがつるつるの所を歩くときにはこの鉤状構造が邪魔になったりしないのかな?面白いね。


いろんな符節を調べよう!

戸塚 紗音
材料:『符節(コクワガタ、アリ、ナナホシテントウ、カベアナタカラダニ)』

図25

◆ 気づいたこと
ガラスを登れる虫と登れない虫の違いが気になり符節を比べました。登れないコクワガタはほとんど毛が生えていませんでした。登れる虫はどれも毛が生えていたけど、毛の長さや量や形がそれぞれ違ったので、登る仕組みが違うのかと思って調べたところ、アリは爪でひっかけて登り、ナナホシテントウは毛先が平な吸着毛で吸盤のようにくっつけて登り、カベアナタカラダニはヤモリと同じファンデルワールス力で登ることがわかりました。

◆ 針山先生のコメント
とっても面白い研究ですね。研究計画と実験に、戸塚さんの科学的センスがすばらしいことを感じました。「わかってしまう」ことも大事ですが、「考え続ける」こともそれ以上に科学をするときには大事です。たくさん実験して、発見することを楽しんでください。ガラスを登れる登れないというのは、棲んでいる場所と関係するのかな?体重と関係するのかな?脚先の構造は何と関係するんだろう。進化の長い歴史の中で、どうして多様な脚ができたのか???


ネコとぼくの毛

牧田 祐児
材料:『家のネコの毛、ぼくのかみの毛』

図13

◆ 気づいたこと
去年の春にひろった家のかいネコと、ぼくのかみの毛をくらべました。自分の目だけで見た感じは、りょうほうとも一本の毛です。しかし、かくだいしたら ぜんぜんちがう物に見えました。おどろいた事に、ぼくの毛はツルツルして見えるけれど、ネコの毛はボコボコしてアスパラみたいでした。けんびきょうでかくだいすると、見え方が変わって、おもしろかったです。また色々な物をかくだいして、かんさつしてみたいです。

◆ 針山先生のコメント
ネコの毛がアスパラみたいな形をしていることをはじめて知りました。なんでだろう?自分で観察してみるって大切ですね。ネコの毛は体のどの部分のものですか?体の場所によっても違うのかな?ヒトの髪の毛って、皆同じなのかな。毎日ブラッシングしているヒトと、ぼさぼさにしたままのヒトで違いが出来るのかな?個人差の方が大きいのかな?そもそも毛って何であるんだろう。ネコは体中が毛に覆われているけど、ヒトは一部だけ。不思議が一杯だね。


父と私とバロン(犬)の毛

松井 月那
材料:『各自の毛』

図14

◆ 気づいたこと
自分と父と犬の毛を観察。犬の毛は抜け落ちていたものを観察したため毛根がなく、非常に綺麗でキューティクルもあった。自分の髪の毛は自分で抜いたものを観察したため毛根があり、犬の毛と同じくらいキューティクルがあった。しかし、父の髪の毛は普段からリンスなど髪の毛のケアをしっかりしていないせいかキューティクルが剥がれていた。肉眼では違いがわかりにくいが顕微鏡で見ることにより違いがわかりとてもおもしろかった。

◆ 針山先生のコメント
ただ毛を観察するのではなく、3つの毛を比較したのは面白いですね。犬のキューティクルとヒトのキューティクルの構造は違うのですね。電子顕微鏡の像が少し白っぽくなって見えるのは、恐らく電気がうまく流れない為かなって思いました。電子顕微鏡は、光では無く電子を使って観察する道具なので、観察する試料に電気を流れやすくする工夫をするとキューティクルをよりはっきり観察できるかもしれません。いろんな毛を比較してみたら面白そう!


卵の殻の外と中

富田 榛真
材料:『卵(ニワトリ) 』

図15

◆ 気づいたこと
卵はツルツルしているけれど、触るとザラザラしているので、拡大したらどうなっているのだろうと思いました。表面はデコボコしていて拡大したら穴が開いていたけれど、内の膜を拡大してみたら繊維のようなものが見えて驚きました。殻の断面は、前に読んだ本に載っていた、洞窟にある石灰華段のようで繊維が階段のようになっていたので、調べてみたら同じ成分の炭酸カルシウムでできていたので、驚きました。

◆ 針山先生のコメント
面白い構造ですね。ニワトリの卵ですか?!外面と内面でびっくりするほど違うんですね。すごい。卵は雌のお腹の中で殻が中身の卵の回りに付け加えられるらしいですね。卵の中身の回りに後付けされるのに、外面と内面でなんで違うんだろう。図4の研究は、その回答につながるかも。断面なのに、繊維状の物が見えますね。もしかしたら、殻のもとは繊維状の構造で、表面はその素材が滑らかに創り上げられているのかな?いっぱい研究したくなりますね。


歯には穴があいていた!

岡部 桃子
材料:『はじめて抜けた私の下前歯』

図16

◆ 気づいたこと
歯の表面はぎゅっと詰まっているのに、内側はスカスカでやわらかそうでした。内側をうーんと拡大してもらったら、小さな穴がたくさんあいていてびっくりしました。小さな穴をよく見ると一つの方向に向かっているように見えました。何かの通り道だったのかなと思いました。インターネットで調べたら、硬いエナメル質とやわらかい象牙質があると書いてあって、見た通りだとわかりました。目で見えないものが見えるのはすごいと思いました。

◆ 針山先生のコメント
見えないものが見えるって、楽しいですね。象牙質とエナメル質って随分と表面構造が違いますね。図3を拡大したものが、図4ですね。象牙質の大きな凸凹構造(図3)の一つ一つの中にも小さな凸凹構造(図4)があるのですね。面白いなあ!象牙質の内側にある歯髄がしっかりくっつくためなのか、神経が小さな凸凹構造に密着していて歯に加わった圧力を感じるためなのか、知りたいことが岡部さんの撮影された写真でわいてきます。面白いですね!


お札の瞳、今昔くらべ

相澤 誉
材料:『岩倉具視の五百円札(昭和44年頃のもの)と野口英世の千円札(令和2年頃のもの)』

図17

◆ 気づいたこと
約50年前のお札と今のお札の瞳を比べてみました。昔のお札の岩倉具視さんの瞳は凹凸がなく、紙の繊維しか写っていません。今のお札の野口英世さんの瞳は、紙の繊維と、円状に瞳を描く細かい凸が見えます。お札に描かれている絵は、型を使って印刷されていますが、この型は人の手で彫られています。こんなに細かい線が彫られているなんて驚きました。この50年で、彫る人の技術力と、印刷能力が上がったのだと感じました。

◆ 針山先生のコメント
お札を走査型電子顕微鏡で見てみようという着眼点がすごいですね。昔のお札と今のものを比べると凸凹構造の違いがあることを見つけたのもすごい。目のところ以外も見てみましたか?同じ青色のお札に見えますが、印刷の違いも知りたいなと思いました。それから、もっと高倍にしてみると、お札の紙の質の違いもわかるかもしれませんね。相澤君の着眼点のすごさを活かして、これからもたくさんのものを観察して、いろいろと教えてください。


諭吉とムハンマドを超拡大してみた

社本 礼央
材料:『一万千札と新聞紙』

図18

◆ 気づいたこと
と言っても、これはお札と新聞紙のことである。諭吉は均一で 細やかでなめらかであり、印刷部分もはっきりとわかる。それに比べてムハンマド は荒くボソボソとしていた。紙のことを調べると、 お札と新聞紙では原料も作り方も違っていることを初めて知ることができた。それが超拡大した時の違いに関係していると思った。物事の本質を知るためには、近づいて見ることと大きな視野で引いて見ることで理解が深まることがわかった。

◆  針山先生のコメント
お札と新聞紙の、紙の表面の違いに着目したのですね。紙はどうやって作られているのですか?お札と新聞紙の紙の材料は違うのですか?新聞紙とお札の上に、小さな水滴を垂らしたら水の挙動は変わるのかな?お札は破るわけにはいかないけど、お札と新聞紙の強度は違うのでしょうか?紙を作っている材料(紙の繊維?)の方向に規則性があるかどうかは、もう少し高倍にした方がいいのか、もっと低倍で観察したほうがいいのか?他の紙も是非見て教えてください。


マスクを大きくして見ると、どうなっているのか

町田 馨
材料:『不織布マスク 使ったもの、不織布マスク 新品、布マスク 新品』

図19

◆ 気づいたこと
使ったマスクの外がわには、目には見えないけど何かがついていました。なので、マスクが目に見えない何かをはなや口の中に入ることをふせいでくれていることが分かりました。ぼくは、よくマスクをずらしてしまっていましたが、目に見えない何かが体に入ってくることをふせぐためには、はなや口を出さずにしっかりとマスクをすることは大切だと思いました。

◆ 針山先生のコメント
新型コロナウイルスの影響で、お勉強も遊びもなかなか自由にできないですね。もっと自由になるためには、マスクがどれくい役立っているか、マスクをどうやって使えば良いか、ウイルスの動きを封じ込めるにはどんなマスクにしたらいいかなど、たくさん研究していかないとならないです。町田君の研究結果が、きっと役に立つと思います。使用済み不織布マスクは、誰がどんな状況で、どれくらいの期間使ったものかも教えて欲しいなって思いました。


黒鉛の姿

林 遼太
材料:『鉛筆の芯(黒鉛)』

図20

◆ 気づいたこと
鉛筆の芯の意外な姿を観察することが出来て、とても良い経験になりました。普段鉛筆を使用している時には、先端も木に隠れている部分もどちらもツルピカしていますが、数十倍に拡大したことによって、先端部分はとても荒々しいゴツゴツした様子が、もう一方は綺麗に重なり合った様子を見ることができましました。このように、通常は違いがなくても、拡大することによって意外で、面白い違いがある事に気がつく事が出来ました。

◆ 針山先生のコメント
黒鉛の構造って、面白いですね。芯の木に隠れている部分は、先端に比べて凸凹が少ないのですね。なんでだろう?芯の先端を使って紙に文字や絵を描いた後の黒鉛の構造は、図2と図3のどちらに似てくるのかな?途中で折った断面をみると黒鉛の割れやすい方向性なんかが見えるのかな?何で黒鉛って黒く見えるのかな?図1で見ると、光の当たり方で黒っぽく見えるところとピカピカ見えるところがあるね。同じ物質のはずなのになんでだろう。不思議!


キラキラしているもの

齋藤 優
材料:『ダイヤモンド、プラチナ、18金』

図21

◆ 気づいたこと
3種類の材料を3000倍に拡大して観察をしました。1mmを3000倍すると3mになるから拡大できる電子顕微鏡はすごいなと思いました。どの材料を3000倍に拡大しても、どこにもでこぼこが無くてつるつるに見えました。だから、ダイヤモンドもプラチナも金もすごくキラキラして見えるのかなと思いました。ダイヤモンドの拡大写真は山がある惑星みいだなと思いました。

◆ 針山先生のコメント
ダイヤモンドとプラチナの表面を電子顕微鏡観察した写真をはじめて見せて貰いました。ダイヤモンドもプラチナも18金も、凸凹は無いけど、方向の揃った小さな傷が一杯あるのですね。惑星みたいなダイヤモンドも面白い。キラキラさせる為に、表面を平らに磨いた時の傷なのかな?キラキラ見えるってどうしてだろう。18金もプラチナも同じように平らなのに、金色と銀色に違って見えるのは何故だろう。同じ光で図1の写真を撮っているのにね。


身近な物をよく見たら

南 裕大
材料:『豆電球』

図22

◆ 気づいたこと
僕は電気がどういう仕組みになっているのか調べるのが好きです。でもすごく近付いて見た事がなかったので見たくなりました。近づくと真ん中のネジネジしているフィラメントという部分の細かなつくりが見えました。細く長く続く溝が見えます。僕の予想は熱を逃す溝か、作る時に自然とできてしまうかの2つです。色んな人に聞いてみたけどはっきりは分かりませんでした。でも理由はあるし、全部の電球にあるのか知りたいです。

◆ 針山先生のコメント
電気って面白いですね。フィラメントに着目して細い溝を発見し、すばらしいです。フィラメントは何故ネジネジしているのですか?明るくなるのはなぜかな?豆電球はそれほどでもないけど外側のガラスを触ると熱いよね。熱くなると物体は膨張するけど、フィラメントも膨張するのかな?新品の豆電球や、使いすぎて切れてしまった電球のフィラメントはどうなっているのかな?大きな電球のフィラメントも溝があるのかな?南君の今後の研究が楽しみです!


伸ばす前と伸ばした時の輪ゴム

宮城島 捷翔
材料:『輪ゴム』

図23

◆ 気づいたこと
伸ばす前と伸ばした時の輪ゴムを顕微鏡で見ました。伸ばした時は、白く細長い線がたくさんありました。伸ばす前は、丸まっているように見えました。伸ばす前の輪ゴムは、小さな粒がたくさん手をつないで丸まっています。引っ張ると手をつないだまま細長く伸びます。
ぼくは、伸ばしていない太い輪ゴムを触わるのが気持ちよくて好きです。丸まっているところが多いからだと思います。今度は細い輪ゴムと、太い輪ゴムを比べたいです。

◆ 針山先生のコメント
ゴムの伸ばす前と伸ばしたときの形の違いって大きいね。同じ倍率で比較しているからとてもわかりやすい。伸ばしているときの方が、写真の白い部分が少ないね。白い部分は電子がたまっているところだから、伸ばしていないときの方が電気が流れにくいのかもしれないなあと思いました。研究の発想がとても面白いなって思いました。輪ゴムを触ると気持ちいいのですね?こんど気をつけて触ってみます。自分の感覚と実験が結びつくのが良いなって思いました。


おどろきいっぱい!液晶画面

相澤 要
材料:『電卓の数字が出るところの液晶画面』

図24

◆ 気づいたこと
 電卓の液晶画面の断面を拡大しました。普通に自分の目で見るとうすい1枚の板だけど、拡大して見るとすごくうすい3枚の板が重なってできていることがわかりました。
 指で触ってみるとつるつるの平らな板だけれど、拡大して見るとでこぼこしているところがたくさんあってびっくりしました。でこぼこが何だか波や虫みたいに見えて面白いです。

◆ 針山先生のコメント
どうして電卓の液晶画面を見てみたいと思ったのですか?発想力が豊かですね。液晶画面をどうやって断面にしたのか興味津々です。3枚の板が重なっているなんて知りませんでした。やっぱり自分で実験して確かめてみると面白いことがたくさんわかるものですね。図4の左下の一番下の板の出っ張りがペンギンのように見えました。こんな3枚の板が重なっているだけで、どうして数字が出てくるのかわかったら科学館の人に教えてあげてください。


おわりに

以上、25作品をご紹介しました。
どの作品も素晴らしい着眼点と考察でしたね。

針山先生によって特に優れた観察を行った3名が選ばれ、6月19日に浜松ロータリークラブ、浜松東ロータリークラブより優秀賞として賞状および副賞が贈呈される予定です。下記に3名の優秀賞受賞者の方々をご紹介します。

疋田 琳太朗
発見!蟻の成虫と幼虫の違いと同じところ
材料:『蟻の成虫と幼虫』

戸塚 紗音
いろんな符節を調べよう!
材料:『符節(コクワガタ、アリ、ナナホシテントウ、カベアナタカラダニ)』

南 裕大
身近な物をよく見たら
材料:『豆電球』

是非また電子顕微鏡を用いたイベントを開催したいと考えております。
次回も多くの方々のご参加をお待ちしております。

共催:浜松ロータリークラブ、浜松東ロータリークラブ
協力:針山孝彦 氏(浜松医科大学)


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浜松科学館自然観察園は地域の方々のお散歩ルート。歩道は端から端まで105歩。普通に歩けば1分足らずで通過してしまいます。 その1歩1歩にもたくさんの生き物がいて、関わり合い、科学的な事象が起こっています。「小さな森での小さな出会い」を少しずつお届けします。