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【オンライン版】身近で気になる昆虫展(前編)~身近で気になる昆虫ランキング Best 50~

浜松科学館では夏の企画展「身近で気になる昆虫展」を2021年7月20日~8月31日の期間に開催しました。

・遠方で科学館へ行くことができなかった
・企画展の復習をしたい

そんな皆さまへ向けて、企画展の内容を前後編でお届けします。

前編では、企画展の中核を担う展示物である「身近で気になる昆虫ランキング  BEST50」をご紹介します。
※後編では「身近で気になる昆虫ランキング BEST50 」に登場する昆虫たちを主人公に、昆虫の色形・生態・進化の秘密をご紹介します。

身近で気になる昆虫ランキング BEST50

このランキングは科学館の生き物博士が個人的に運用しているTwitter アカウントの情報をもとに作成しました。「名前を知ると興味・愛着が生まれるかも?」をモットーに、「この虫なんだろう?」というような写真付きのツイートなどを拾い上げ、回答しています。

例えば、下の画像は実際にTwitterで挙げられた昆虫たちです。
こんな昆虫たち、見たことはありませんか?

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これまでに、上の写真のような昆虫に関する質問に約2万件お答えしてきました。そのデータをもとに、回答が多かった上位50 種をまとめました。

身近で気になる昆虫 Best 50 には、モンシロチョウやカブトムシなどは含まれていません。なぜなら彼らの種名はもともと有名で、「この虫なんだろう?」と気にはならないからです。

つまり、スマホで写真が撮れるほど「身近」で、種名が「気になる」昆虫のランキングになっているのです。

さて、皆さんがこれまでに出会い、気になっていた昆虫はいるでしょうか?

第1位 キマダラカメムシ

上位分類学名:カメムシ目カメムシ科
学名:Erthesina fullo
国内分布:本州、九州、沖縄
出会える場所:街路樹、公園

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その大きさにビックリ!
日本最大級のカメムシ。初めて出会ったときはその大きさに「デカッ!」と驚きました。体の真ん中をとおる黄色い線が特徴。サクラやカキなど25種類の樹木の汁を吸うことが知られています。本州の個体は、江戸時代以前に台湾から人為的に運ばれた外来生物と考えられています。

第2位 ノコギリクワガタ

上位分類学名:コウチュウ目クワガタムシ科
学名:Prosopocoilus inclinatus
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:河川敷、林、街灯

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アゴの形は千差万別!
オスの大顎の内側に小さな歯がたくさんあり、形がノコギリに似ていることからその名が付けられました。小さな個体の顎はまっすぐ、大きな個体は水牛の角ように湾曲します。外見の違いに「本当に同じ種!?」と思えるほど困惑必至です。

第3位 コクワガタ

上位分類学名:コウチュウ目クワガタムシ科
学名:Dorcus rectus
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:河川敷、林、街灯

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一番身近なクワガタ
市街地でも見かける一番身近なクワガタです。筆者は「クワガタ発見!」と喜んでつかまえてもコクワガタだと少しだけ残念な気持ちになります。でもよく見るとスマートな体型にシンプルなデザインの大顎がカッコいいです。

第4位 ヨコヅナサシガメ

上位分類学名:カメムシ目サシガメ科
学名:Agriosphodrus dohrni
国内分布:本州、四国、九州
出会える場所:公園

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サクラの幹にびっしりと
まるで映画に出てくるエイリアンのような姿ですね。白色のお腹に黒色の大きな紋が特徴で、サクラやエノキの樹の幹に群れでいることが多いです。肉食性で、ストロー型の口で獲物を突き刺して体液を吸います。稀にヒトも刺すので注意!(刺されると、とても痛いです)

第5位 セスジスズメ

上位分類学名:チョウ目スズメガ科
学名:Theretra oldenlandiae
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:畑、公園、街灯

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背中と羽にくっきり2本線
胸部の背中に白色の2本線が特徴です。幼虫はサトイモ、サツマイモなどの作物や、公園のヤブガラシ、ノブドウなどツル性植物の葉を食べます。スズメガ特有の三角形でシャープな外見がカッコいいですね。

第6位:オオミズアオ

上位分類学名:チョウ目ヤママユガ科
学名:Actias aliena
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:街灯

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一度出会ったら、忘れられない衝撃
青白色から黄色の大型の蛾。近年まで学名に「artemis(アルテミス)」というギリシャ神話の月の女神の名前が使われていました。街灯の周りを舞う姿は美しく、迫力があり、その光景から二度と忘れられない程の衝撃を受けることでしょう。

第7位:トリバガの仲間

上位分類学名:チョウ目トリバガ科
学名:Pterophoridae sp.
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:街灯、公園

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これで飛べるの!?T字型
夜、建物の壁に張り付く怪しい「T」。横棒は翅を折りたたんだ部分、縦棒は胴体です。4枚の翅にはそれぞれ1つ、2つの深い切れ込みがあるものの、ちゃんと飛ぶことができます。

第8位:ゴマダラカミキリ

上位分類学名:コウチュウ目カミキリムシ科
学名:Anoplophora malasiaca
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:街路樹、公園

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ザ・都会のカミキリムシ
黒色に白色の紋、誰もが一度は見たことがあるであろう最も身近なカミキリムシです。よく見ると胸部や触角に青色模様があって美しいのですよ。しかし、かんきつ類やバラ、ポプラなどを食べてしまう害虫でもあります。

第9位:ツマグロヒョウモン

上位分類学名:チョウ目タテハチョウ科
学名:Argyreus hyperbius
国内分布:本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:草地、公園

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パンジーの常連さん
市街地でよく見られるチョウの一種。全体的にオレンジ色で、メスの翅の先が黒色なことが種名の由来になっています。幼虫はスミレ科の葉を食べ、特にパンジーやニオイスミレなど花壇に植えられている栽培品種を好みます。

第10位 クサカゲロウの仲間

上位分類学名:アミメカゲロウ目クサカゲロウ科
学名:Chrysopidae sp.
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林、草地、街灯

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"カゲロウ"と呼ばれるけれど、カゲロウじゃないよ
緑色の体と透明な翅が特徴です。15位のカゲロウとは異なるグループに属し、ウスバカゲロウと同じアミメカゲロウの仲間です。羽化しても数時間で死んでしまうことはありません。幼虫はアブラムシなどの農業害虫を食べる益虫として知られています。

第11位 ミヤマクワガタ

上位分類学名:コウチュウ目クワガタムシ科
学名:Lucanus maculifemoratus
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:河川敷、林、街灯

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ちょっと珍しい?憧れのクワガタムシ!
少し標高の高い山地に多いクワガタ。オスメスともに脚にオレンジ色の紋があるのが特徴です。オスには胸部に張り出す突起があります。また羽化したばかりのオスは黄金色の産毛に覆われて、とても美しいです。

第12位 ウンモンスズメ

上位分類学名:チョウ目スズメガ科
学名:Callambulyx tatarinovii
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:街路樹、公園、街灯

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都会の迷彩色
緑色の迷彩色が特徴ですが、たまに茶色バージョンもいます。幼虫は街路樹で多く植えられているケヤキの葉を食べるので、市街地や公園でもよく見かけます。

第13位 シミの仲間

上位分類学名:シミ目シミ科
学名:Lepismatidae sp.
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:家の中

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家の中の生きた化石
翅をもたない原始的な昆虫で、銀色の体と3本の尾が特徴。銀色は鱗片という点々でできています。屋内に出現する種は紙や乾物を食べます。
※ここでは「ヤマトシミ」「セイヨウシミ」の2種を対象としています。

第14位 ヘビトンボの仲間

上位分類学名:ヘビトンボ目ヘビトンボ科
学名:Corydalidae sp.
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:河の上流域、街灯

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その姿、まるで怪物
大きく発達した大顎と、二等辺三角形の形に畳む翅が特徴。成虫は樹液、幼虫は水中で他の水生昆虫を食べます。成虫は街灯に集まりますが、素手で捕まえる時は気をつけましょう。噛まれると結構痛いです。

第15位 カゲロウの仲間

上位分類学名:カゲロウ目
学名:Ephemeroptera sp.
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:河川敷、街灯

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最も古い飛ぶ昆虫
左右の翅を垂直に立ててとまり、2・3本の長い尾毛をもつのが特徴。成虫そっくりな形で、より濃い色の亜成虫という段階があり、亜成虫が脱皮すると成虫になります。透明で2・3本の尾毛が生えた謎の昆虫が壁に張り付いていたら、それはカゲロウの羽化殻かもしれません。

第16位 ヒメマルカツオブシムシ

上位分類学名:コウチュウ目カツオブシムシ科
学名:Anthrenus verbasci
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:公園、家の中

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洋服ムシャムシャ、花粉もムシャムシャ
成虫は白色、橙色、茶色のまだら模様、幼虫は茶色で全身が毛でおおわれています。成虫はキク科の花の花粉を食べますが、幼虫は乾いた動物性タンパク質を食べます。特に洋服たんすの中でウールなどの動物性の衣類を食べてしまう害虫として知られています。

第17位 アカスジキンカメムシ

上位分類学名:カメムシ目キンカメムシ科
学名:Poecilocoris lewisi
国内分布:本州、四国、九州
出会える場所:林

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カメムシ界の「歩く宝石」
初めて出会ったときは、その美しさに驚きました。光沢のある緑色に赤色の帯が特徴のカメムシです。幼虫の模様はヒトの顔に見えるかも!?落葉広葉樹、常緑広葉樹、針葉樹など幅広い種類の林で出会うことができます。

第18位 アオマツムシ

上位分類学名:バッタ目マツムシ科
学名:Truljalia hibinonis
国内分布:本州、四国、九州
出会える場所:街路樹、公園

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樹の上の演奏者
樹の上で生活する緑色のマツムシの仲間。市街地に多く、日没後に「チリ―チリ―」と高く大きな声で鳴きます。明治時代の頃に人為的に持ち込まれた外来生物と考えられています。

第19位 ケラ

上位分類学名:バッタ目ケラ科
学名:Gryllotalpa orientalis
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:草地、田んぼ

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陸・水・地中、なんでもござれ
大きなシャベル状の前脚が特徴です。この脚で土を掘り、湿った草地や田畑の地中に棲みます。春に田んぼへ水を張ると泳ぐ姿が、夜には灯火に向かって飛ぶ姿が観察できます。陸・水・地中とマルチな機動力を持ちます。

第20位 アケビコノハ

上位分類学名:チョウ目ヤガ科
学名:Eudocima tyrannus
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林、街灯

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まるで枯葉
枯葉そっくりな色形が特徴。成虫は果実の汁を吸い、幼虫はアケビの葉を食べます。成虫は灯りにも集まります。落ち葉に紛れてとまっている成虫を発見するのは難しいので、街灯の下を探してみましょう。

第21位 セマダラコガネ

上位分類学名:コウチュウ目コガネムシ科
学名:Blitopertha orientalis
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:草地、林、公園

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あ~、見たことあるかも
3つ又の触角が可愛らしいコガネムシの仲間。気が付くと服や洗濯物、網戸などに張り付いている身近な昆虫です。体色がバリエーションに富んでおり、種名のとおりまだら模様がある個体や、全体が黒色の個体もいます。幼虫はシバの根を食べてしまう害虫です。

第22位 オオスカシバ

上位分類学名:チョウ目スズメガ科
学名:Cephonodes hylas
国内分布:本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:公園

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ハチ?ハチじゃない!
昼間に公園で「ブーン」とハチドリのように花を行き来する生き物を見つけたら、本種の可能性が高いです。蛾ですが昼間に活動し、チョウ目の特徴である鱗粉を羽化してすぐに落としてしまう変わり者です。

第23位 ツチハンミョウの仲間

上位分類学名:コウチュウ目ツチハンミョウ科
学名:Meloe sp.
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:林、草地

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波乱万丈!アクロバティックな人生
成虫は美しい青色で、腹部が大きなアリのような体型をしています。幼虫は花に集まるハナバチ類にしがみつき、彼らの巣まで移動して寄生します。成虫はカンタリジンという毒を含む黄色の液体を出すことがありますので、注意しましょう。

第24位 シロスジカミキリ

上位分類学名:コウチュウ目カミキリムシ科
学名:Batocera lineolata
国内分布:本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林、街灯

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日本最大級のカミキリムシ
生きている頃は灰色の体に黄色の紋、死ぬと白色の紋に変わります。種名は標本を見てつけられたのでしょう。成虫はコナラやクリの葉柄を、幼虫もそれらの幹の内部を食べます。幼虫を炒めて食べると、ピーナッツのような味がして美味しいです。

第25位 マイマイカブリ

上位分類学名:コウチュウ目オサムシ科
学名:Damaster blaptoides
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:林

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カタツムリが大好物
スマートな体型で、特に頭部や胸部が細長いです。飛ぶことができず、地上を徘徊してカタツムリを専門に食べます。地域によって首の太さや長さに変異があり、その地域のカタツムリの殻のサイズと関係していることが知られています。

第26位 ミヤマカミキリ

上位分類学名:コウチュウ目カミキリムシ科
学名:Neocerambyx raddei
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:林、街灯

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ライトトラップの常連
黒色の体に黄土色の細かい毛が生えた大型のカミキリムシです。クヌギやコナラの樹液を舐めたり、街灯に集まることがあります。灯りに集まるクワガタを探しに行くと、よく出会います。

第27位 アカボシゴマダラ

上位分類学名:チョウ目タテハチョウ科
学名:Hestina assimilis assimilis
国内分布:本州
出会える場所:林、公園、河川敷

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君に罪はない!けれど特定外来生物
春に羽化する成虫には白色に黒色の筋があり、夏に羽化する個体には後翅の縁に赤色の紋があるのが特徴です。中国大陸から人為的に持ち込まれたと考えられ、移動・放蝶・飼育などが禁止されている特定外来生物に指定されています。

第28位 カマドウマの仲間

上位分類学名:バッタ目カマドウマ科
学名:Rhaphidophoridae sp.
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林、公園、家の中

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嫌われ者ナンバー1!?
長い触角、脚、異様に丸い体型が特徴。通称「便所コオロギ」と呼ばれ、「昆虫の中で一番嫌い」「ゴキブリは大丈夫だけど、カマドウマは無理」などたくさんの不名誉な声を聞きます。しかし近年、清流の魚にとって重要な餌資源になっていることが分かりました。生態系の中で無駄な生き物なんていないのですね。

第29位 タマムシ

上位分類学名:コウチュウ目タマムシ科
学名:Chrysochroa fulgidissima
国内分布:本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林、公園

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美しい昆虫の代名詞
体の表・裏から脚、触角まで、すべて緑色~赤色に輝く昆虫界の宝石。成虫は公園にも植えられているエノキの葉を食べるので、市街地でも見つかることがあります。光沢の秘密は構造色。何枚も重ねられた物理的な層による光の干渉によって成り立っています。

第30位 カノコガ

上位分類学名:チョウ目ヒトリガ科
学名:Amata fortunei
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:林、公園

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昼に舞う蛾
翅の透けた紋と、黒色の胴体に黄色の2本線が特徴。蛾の仲間ですが昼間に活動します。特に曇りや小雨の日にひらひらと舞う姿が見られます。幼虫はシロツメクサやタンポポなどの葉を食べ、市街地にも生息します。

第31位 コフキコガネ

上位分類学名:コウチュウ目コガネムシ科
学名:Melolontha japonica
国内分布:本州
出会える場所:林、街灯

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夏の夜の訪問者
黄土色の細かい毛に覆われたコガネムシの仲間。近縁種に毛の色が灰白色のオオコフキコガネがいます。筆者の実家では、夜になるとリビングの灯りに誘引された本種が、よく網戸にぶつかってきました。

第32位 ホタルガ

上位分類学名:チョウ目マダラガ科
学名:Pidorus atratus
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林、公園、街灯

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ホタルに似ている!?
黒色の体に赤色の頭部、翅には白色の帯があります。夜、灯りに飛んでくることもありますが、昼間でも林の中をひらひらと舞う姿が見られます。幼虫は街路樹や公園に植えられるサカキ、ヒサカキの葉を食べるため、市街地でも出会うことがあります。

第33位 ビロードハマキ

上位分類学名:チョウ目ハマキガ科
学名:Cerace xanthocosma
国内分布:本州、四国、九州
出会える場所:林

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奇抜なデザイン
黒色の筒状の体型に黄色や赤色のまだら模様が特徴。林の中で樹木の葉の上にちょこんととまっていることがあります。まるでペンダントのようなおしゃれなデザインです。幼虫はシイやカシの葉を食べます。

第34位 アオスジアゲハ

上位分類学名:チョウ目アゲハチョウ科
学名:Graphium sarpedon
国内分布:本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林、公園

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透きとおったコバルトブルー
黒色に青色の帯が映える美しい蝶です。幼虫は街路樹や公園に植えられているクスノキやタブノキ、ヤブニッケイの葉を食べるため、市街地でもよく見られます。浜松科学館の自然観察園でも毎年幼虫が確認されています。

第35位 クロカミキリ

上位分類学名:コウチュウ目カミキリムシ科
学名:Spondylis buprestoides
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:街灯

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クワガタみっけ!あ、違った…
黒色で発達した大顎をもつためクワガタと間違われやすいです。クワガタとは異なり触角の全ての節が同じような形をしています。成虫は夜行性で市街地の街灯に集まります。幼虫はマツの倒木を食べます。

第36位 カメノコハムシの仲間

上位分類学名:コウチュウ目ハムシ科
学名:Cassidinae sp.
国内分布:本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:草地、林

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葉の上のガラス細工
メタリックでUFOのような体型。何だか近代的なデザインです。カメノコハムシの仲間の中でも、草地のヒルガオの葉を食べるジンガサハムシと、林のムラサキシキブという樹木の葉を食べるイチモンジカメノコハムシがよく見つかります。

第37位 ヒラタクワガタ

上位分類学名:コウチュウ目クワガタムシ科
学名:Dorcus titanus pilifer
国内分布:本州、四国、九州
出会える場所:河川敷、林、街灯

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隙間が落ち着く
コクワガタよりも体の幅が広く、種名のとおり平らな体型。樹液にいても、すぐに樹皮の間に隠れて採集するのが難しいことが多いです。暖かい気候が好きで、浜松市にはたくさんいますが、隣の長野県ではあまり生息していない珍しいクワガタです。

第38位 キイロスズメ

上位分類学名:チョウ目スズメガ科
学名:Theretra nessus
国内分布:本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:街灯

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The グラデーション
緑色から褐色のグラデーションが特徴。幼虫は山芋(ヤマノイモ、ナガイモ、オニドコロ)の仲間の葉を食べます。セスジスズメやウンモンスズメよりも少ない印象があり、筆者は本種と出会うと嬉しくなります。

第39位 エサキモンキツノカメムシ

上位分類学名:カメムシ目ツノカメムシ科
学名:Sastragala esakii
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:林

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ハートなカメムシ💛
体の真ん中のハートマークが特徴のカメムシ。ラブリーな外見です。しかし、やっぱりカメムシ、臭いです。ミズキという樹木でよく見られ、メスは産んだ卵や幼虫を守る習性があります。

第40位 キボシカミキリ

上位分類学名:コウチュウ目カミキリムシ科
学名:Psacothea hilaris
国内分布:本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林、畑

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果樹園が大好き
ゴマダラカミキリに似ていますが、小型で紋が黄色なのが特徴です。成虫はクワやイチジクなどクワ科植物の葉を食べます。浜松科学館の自然観察園にあるイチジクでも観察されたことがあります。

第41位 マルカメムシ

上位分類学名:カメムシ目マルカメムシ科
学名:Megacopta punctatissima
国内分布:本州、四国、九州
出会える場所:草地

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可愛いけれど、ちゃんと臭い
ちょこんとしたたたずまいと、形がとても可愛いらいしいです。しかし、やっぱりカメムシ、臭いです。黄土色でツヤのある丸い体型が特徴。クズ、フジ、ニセアカシアなどマメ科の植物に、集団を作って汁を吸います。大豆や小豆などの作物を加害してしまうこともあります。

第42位 イラガの仲間

上位分類学名:チョウ目イラガ科
学名:Limacodidae sp.
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林、街路樹、公園

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幼虫には気を付けて!
茶色や緑色の翅を立ててとまるのが特徴。灯りに集まる種もいて、住宅地の壁にとまっている姿も見られます。幼虫は黄色や緑色の毛虫で、触れるとビリっとしびれることから「電気虫」とも呼ばれます。かぶれる場合もありますので注意しましょう。

第43位 ウスバカゲロウの仲間

上位分類学名:アミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科
学名:Myrmeleontidae sp.
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林

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幼虫はアリジゴク
透明な翅(種によって紋がある)と細長く弱弱しいトンボのような姿が特徴。15位のカゲロウとは異なるグループに属し、クサカゲロウと同じアミメカゲロウの仲間です。幼虫の中には砂地にすり鉢状の巣を作る種がおり、巣に落ちたアリなどの小さな昆虫を捕獲して食べることから「アリジゴク」と呼ばれます。

第44位 オオゾウムシ

上位分類学名:コウチュウ目オサゾウムシ科
学名:Sipalinus gigas
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林、街灯

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すぐに死んだふり
日本最大級のゾウムシの仲間。樹液や街灯にも集まります。虫捕り網を近づけると、死んだふりをしてコロンと落ちてしまいます。採集する時は、網を昆虫の下に構えて捕まえてみましょう。

第45位 ラミーカミキリ

上位分類学名:コウチュウ目カミキリムシ科
学名:Paraglenea fortunei
国内分布:本州、四国、九州
出会える場所:林

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水色なパンダ?
黒色と水色のツートンカラー、胸部にはパンダの顔のような模様があります。筆者が初めて出会ったときは、まるで人間が作ったようなデザインに驚きました。カラムシやムクゲという植物の葉、枝、茎を食べます。

第46位 キアゲハ

上位分類学名:チョウ目アゲハチョウ科
学名:Papilio machaon
国内分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:草地、林、公園

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よく見て!アゲハじゃないよ!
アゲハにそっくりですが、本種の方が翅が全体的に黄色っぽいです。黄色い大きめな蝶を見かけたら、アゲハかキアゲハか同定してみましょう。幼虫はニンジン、ミツバ、パセリなどセリ科植物の葉を食べるため、農家の方には嫌われ者です。

第47位 ウバタマムシ

上位分類学名:コウチュウ目タマムシ科
学名:Chalcophora japonica
国内分布:本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林

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その渋さ、好きです。
形はタマムシに似ていますが、銅色で翅に縦筋の溝があり、幼虫はマツの材を食べます。タマムシと比べると決して派手ではないですが、筆者は渋く輝く本種も大好きです。

第48位 オオキンカメムシ

上位分類学名:カメムシ目キンカメムシ科
学名:Eucorysses grandis
国内分布:本州、四国、九州
出会える場所:海沿いの照葉樹林

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まるでプラスチックの造形物
光沢のある濃い橙色に、黒色の紋が特徴です。暖かい地域の海沿いに分布し、冬にはツバキ、トベラ、ミカン等の葉の裏で群れを作って越冬します。幼虫はセンダン、クチナシなどの木の実の汁を吸います。

第49位 ツマグロオオヨコバイ

上位分類学名:カメムシ目ヨコバイ科
学名:Bothrogonia ferruginea
国内分布:本州、四国、九州、沖縄
出会える場所:林、公園

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通称:バナナムシ
黄色と黒色の派手なツートンカラーが特徴。子供の頃に「バナナムシ」と呼んだことのある人もいるのではないでしょうか。ちょっと長いですが、これからは「ツマグロオオヨコバイ」と呼んであげてください。クワ、チャ、キイチゴ、かんきつ類の葉の裏にとまり、植物の汁を吸います。

第50位 ベニカミキリ

上位分類学名:コウチュウ目カミキリムシ科
学名:Purpuricenus temminckii
国内分布:北海道、本州、四国、九州
出会える場所:林

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紅のカミキリ
鮮やかな赤色のカミキリムシで、胸部と、個体によって腹部の上翅にも黒色の紋があります。成虫はクリなどの花に集まり、幼虫は枯れた竹を食べます。竹林を見つけたら、本種を探してみましょう。

おわりに

身近で気になる昆虫 Best 50 を見てきましたが、皆さんが出会ったことがある昆虫はいましたでしょうか?

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ちなみに、冒頭で挙げた昆虫たちの種名は下記のとおりです。

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「うわ!何この蛾!」から「おお!ウンモンスズメ!」へ。
種名を知ると、ちょっと興味関心や愛着がわいてくるかもしれません。

本ランキングを使って種名を調べて、見かけた昆虫たちを「見ず知らずの隣人」から「見知ったご近所さん」に変えていっていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

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謝辞
以下の方々に画像提供(Twitter より)いただきました。
厚くお礼申し上げます。
 ヘビトンボ:@mitunari410
 タマムシ:【匿名希望】
 ツチハンミョウ:@Rail_KNZS
 マイマイカブリ:@NWTRchicken
 キマダラカメムシ:俳優 長谷川瑞己 (@mizukipunch)
 ウンモンスズメ:@punmarupunpun
 アカスジキンカメムシ:@yuzupomprin
 ウバタマムシ:@akoyryoka
 セスジスズメ:@komadesign1
 ゴマダラカミキリ:@sirahane1103
 ヨコヅナサシガメ:かたる
 コフキコガネ:茨城の田舎娘みーさ☆
 ノコギリクワガタ:@dfl180528

参考資料
高井幹夫 他. 日本の昆虫1400 (2) トンボ・コウチュウ・ハチ. (文一総合出版, 2013).
高井幹夫, 奥山清市, 長島聖大, 井村仁平 & 槐真史. 日本の昆虫1400 (1) チョウ・バッタ・セミ. (文一総合出版, 2013).
岸田泰則. 日本産蛾類標準図鑑1. (学研プラス, 2011).
林匡夫, 木元新作 & 森本桂. 原色日本甲虫図鑑 (4). (保育者, 1984).
黒沢良彦, 久松定成 & 佐々治寛之. 原色日本甲虫図鑑 (3) . (保育社, 1985).
尾園暁. ハムシハンドブック. (文一総合出版, 2014).
安永智秀, 山下泉, 川沢哲夫, 高井幹夫 & 川村満. 日本原色カメムシ図鑑. (全国農村教育協会, 1993).
村井貴史, 伊藤ふくお & 日本直翅類学会. バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑. (北海道大学出版会, 2011).
日本のチョウ. (誠文堂新光社, 2012).


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浜松科学館 みらいーら
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