身近で気になる野鳥ランキング Best 50
家の周りや通学・通勤路で、
「あの鳥、なんていう種類だろう?」
「鳥の種類は知りたいけれど、本格的にバードウォッチングを始めるにはハードルが高いかな…」
「図鑑で調べるのは億劫で…」
と思ったことはありませんか?
そんな方にお勧めのランキングを作成しました!
ランキングは、筆者が趣味で続けている「Twitterで生物多様性普及活動」のデータを元に作成しました。
この活動は「生き物の名前を知ると興味・愛着が生まれるかも?」をモットーに、生き物の名前を知りたい質問ツイートに対して分かる範囲でお答えするというものです(←本当にお節介なアカウントです (;^_^A )↓
※野鳥の種名をお答えする活動は2021年5月まで実施しておりました(追記2021年5月16日)
過去7年間、野鳥の名前を答えに答えた、「計14,348件」の質問。
その結果をもとに、解答頻度が高い上位50種をランキング形式でご紹介します。
お答えしてきた質問は、一般の方が、日常生活の中で気になる野鳥を見つけて、写真を撮って、「この鳥なんだろう?」と呟いたものがメインです。
バードウォッチングが趣味の方からのマニアックな質問も含まれてはいますが、数は少ないです。
つまり、気になる野鳥を気軽に調べることが出来るBIRDER一歩手前な方々にピッタリなランキングなのです。
貴方が気になっているあの鳥もきっと見つかるはずですよ (^ ^)/
それでは、1位から見ていきましょう!
※写真は浜松野鳥の会様からの提供です。
無断での使用・転用はご遠慮ください。
※野鳥と題していますが、一部に家畜や外来種も含まれます。
1位 アオサギ
質問全体の1割以上を占める圧倒的な存在感。日本のサギ類で最大級、かつ最も身近な種。灰色だけどアオサギです。
2位 ヒヨドリ
「ヒーヨ、ヒーヨ」という鳴き声が和名の由来です。灰色の体に、茶色な頬、長い尾。庭にミカンを置くと、よくやってきます。
3位 ハクセキレイ
コンビニや道路で「テケテケ」と歩くあの鳥です。身近なセキレイ御三家「ハクセキレイ・セグロセキレイ・キセキレイ」の中で最も身近なのが、本種です。白色の頬が特徴。
4位 イソヒヨドリ
もとは海岸沿いの磯や崖に生息していましたが、ビルを崖と見立てたのか内陸の住宅街にも生息するようになりました。ツグミの仲間で、ご多分に漏れず美しい声で鳴きます。最も身近な「幸せを呼ぶ青い鳥」です。
5位 ムクドリ
秋なると大きな群れになって、都心の街路樹をねぐらにすることがあります。白色の頬と、黄色い嘴、脚が特徴。「ギュルルギュルル」と鳴きます。
6位 ジョウビタキ
可愛らしい冬鳥。警戒心が薄く近くまで寄ってもあまり逃げません。「カッ!カッ!」と鳴きながら、尾を震わせる姿に癒されます。近年、日本での繁殖例が増えているそうです。
7位 ツグミ
こちらも冬鳥。公園で歩きながら地面を突きつつ、写真のように胸を張って停止します。
8位 ゴイサギ
赤い目が印象的。アオサギと同じく灰色っぽいですが、より小型で寸胴な体型をしています。幼鳥は、まばらな白色の点から「ホシゴイ」と呼ばれます。
9位 シジュウカラ
電線で「ツーツーピー」と鳴く本種。白色の頬と、腹にある黒色のネクタイが特徴です。
10位 オオバン
浜松周辺では冬鳥として飛来します。真っ黒な体に白色の額(額板)と嘴。「千と●尋の神隠し」のカ●ナシ、もしくは「エ●ァンゲリオン」の使徒のようです。
11位 カワラヒワ
繁殖期に電線で「キリキリ、コロコロ、ビーン」と囀る姿が見られます。飛んだ時の翼の黄色が特徴。
12位 シロハラ
ツグミの仲間。明るい場所にいるツグミに対して、本種は林内や林縁など暗い場所を好みます。土の中のミミズが好物。
13位 ユリカモメ
最も身近なカモメ。赤色の嘴に、夏羽は黒色の頭、冬羽は目の後方に黒色の点が特徴です。
14位 キジバト
茶色のまだら模様の翼がキジに似ていることが和名の由来。公園にいるハト(ドバト)は外来種、本種は在来です。
15位 コサギ
黒色の嘴に黄色の指が特徴。夏羽には寝ぐせのような飾り羽(冠羽)があります。「シラサギ」は白色のサギの総称で、その中には、ダイサギ、チュウサギ、コサギなどがいます。
16位 カルガモ
市街地で繁殖する唯一のカモ。よく子ガモを連れた行列の様子がニュースになりますね。雄雌の羽の模様の違いはあまりなく、濃淡が異なりますがはっきりと識別するのは難しいです。
17位 ダイサギ
亜種にもよりますが、アオサギと同じくらいの大きなサギ。長い嘴とほっそりした頭、嘴は夏羽で黒色、冬羽で黄色です。
18位 メジロ
冬に庭にミカンを置くとやってくる緑色の小鳥。目の周りの白色の輪(アイリング)が特徴。鶯色をしていて、よくウグイスと間違えられます。本家のウグイスはオリーブ色でずっと地味です。
19位 コゲラ
日本最小のキツツキ。公園で「ギーギー」と鳴きながら小さく樹を突いています。冬はシジュウカラやエナガの群れ(混群)に参加することも。
20位 モズ
秋に「キチキチキチ」と大きな声で縄張りをアピールします(モズの高鳴き)。肉食で、捕えた獲物を枝に串刺しにする「はやにえ」という行動も有名ですね。庭先に巣を作ることもあります。
21位 チョウゲンボウ
ハヤブサの仲間。田んぼや畑が広がった場所でよく見られますが、マンションで巣作りすることもあり、住宅街でも目撃されることがあります。
22位 キジ
日本の国鳥。よく田畑を駆け巡る様子が目撃されます。
23位 エナガ
北海道のアイドル「シマエナガ」がとても有名になりましたね。シマエナガはエナガの1亜種です。本州のエナガには太い眉毛があり、こちらもとても可愛いです。
24位 ヤマガラ
シジュウカラと似ていますが、林内で見られ、茶色っぽい外見をしています。人馴れしやすく、間近で観察することが出来ます。
25位 トビ
「ピーヒョロロ」と鳴きながら、上昇気流を使って羽ばたかずに旋回する様子が見られます。とまった様子は凛々しく、「トビじゃなくて、ワシ?タカ?」と疑問を持つ方が多いです(トビもワシ・タカの仲間です)。
26位 ワカケホンセイインコ
全身が緑色で、長い尾が特徴。日本に定着してしまった外来種。ペットが逃げ出した個体が東京で野生化したのがはじまりと言われています。静岡県内でも記録されているようです。
27位 バリケン
マガモを家畜化したアヒルのように、ノバリケンを家畜化した鳥です。公園の池の周りなどで野生化していることがあります。
28位 ケリ
田んぼの周りで「ケーリ、ケーリ」と鋭く鳴く本種。顔つきも鋭いですね。飛んだ時の黒色と白色のコントラストが印象的です。
29位 アオジ
住宅地(低地)では冬鳥として見られます。よく藪の中で「チッチッ」と鳴きますが、明るいところにはあまり出てこないので、出会う頻度は低いかもしれません。
30位 オナガ
長い尾に背中は水色。派手ですがこう見えてもカラスの仲間。「ギューイギューイ」と激しく鳴きます。
31位 カササギ
こちらも同じくカラスの仲間。北海道の一部、九州北部で観察されます。
32位 シメ
薄い茶色で、太い嘴と鋭いまなざし。硬い植物の種を丈夫な嘴で割って、中身を食べます。
33位 ノスリ
市街地ではトビの次によく見られる猛禽類かもしれません。トビと比べて色が薄く、ずんぐりしています。
34位 ホオジロ
白色の頬の模様と、褐色のお腹が特徴。河川敷の薮原でよく観察されます。
35位 バン
10位 オオバンの小型版。嘴の色も白色ではなく黄・赤色です。2種ともクイナの仲間です。オオバンには水かきのような構造(弁足)がありますが、バンにはないため一生懸命、でもゆっくりと泳ぎます。
36位 ガビチョウ
茶色の体に、涙目のような白色の模様が特徴です。ワカケホンセイインコと同じく外来種で、本種は特定外来生物に指定されています。
37位 コジュケイ
キジよりも小さく、林内をコソコソと走り回ります。繁殖期には「チョトコイ!チョトコイ!」と大きな声で鳴きます。100年以上前に飼い鳥が逃げたり、放鳥されたりした外来種です。
38位 カワセミ
言わずと知れた「水辺の宝石」。川や池の岸辺にとまり、ときおり水にダイブして魚を捕まえます。オスや幼鳥の嘴は黒色、メスは嘴の下面がオレンジ色です。
39位 セグロセキレイ
セキレイ御三家の2番手。ハクセキレイとは異なり、頬が黒色で、白色の眉毛が特徴です。身近な野鳥ではありますが、主に日本でのみ生息する世界的には珍しい種です。
40位 アトリ
冬に田畑近くの電線で群れになっている様子が観察されます。体は茶色~薄いオレンジ色。カワラヒワやシメと同様に太い嘴をもちます。
41位 ツバメ
言わずと知れた身近な野鳥。春から夏にかけて家の軒先などに巣を作り、子育てします。赤色の顔と長い尾が特徴的です。
42位 キセキレイ
セキレイ御三家の最後の1種。3種の中では自然度が高い場所にいる印象です。腹部が黄色く、他の2種と間違えることはありません。
43位 キンクロハジロ
寝ぐせのような飾り羽が印象的な冬鳥。目の「金色」、体の「黒色」、飛んだ時の「羽の白色」が和名の由来です。
44位 カケス
派手ですが、オナガ、カササギと同様にカラスの仲間。林内に棲み、ドングリが大好きです。「ジェージェー」という鳴き声から、「Eurasian Jay(ユーラシア地域のジェー)」という英名が付きました。
45位 アオバト
美しい緑色のハト。通常は野山に生息しますが、まれに人家で弱った個体が観察されます。オスはの翼はブドウ色、メスは全身が緑色です。
46位 ミサゴ
海や湖に生息する魚食のタカ。全身が白っぽく、トビと比べると華奢な体型をしています。水面を見ながら上空を旋回し、魚を見つけると水中へダイブして捕えます。
47位 キビタキ
美しい夏鳥です。子育てのために暖かい時期に日本へ渡ってきますが、旅の途中で休んでいる様子を住宅地で見られることがあります。
48位 ヒドリガモ
冬鳥として川や池などで見られます。オスは茶色の顔にモヒカンのような黄色い模様が特徴です。主に夜行性ですが、朝方やまれに昼間でも芝生やクローバーなどの草地を歩いて草を食む様子が見られます。
49位 コムクドリ
夏鳥として山地を中心に見られますが、まれにムクドリの群れに混ざることも。普通種のムクドリも要チェックです!
50位 オオルリ
黄色いキビタキ、本種は青色と、2種で日本の夏を彩ります。キビタキと同じく山地で繁殖しますが、旅の途中で住宅地でも見られます。
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以上、ランキングでした!
貴方の通勤・通学路で見つけて気になっていたあの鳥の正体は判明しましたでしょうか?
もしどうしても分からない野鳥がいましたら、筆者のTwitterアカウントまで、お気軽にご連絡ください (#^.^#)
繰り返しになりますが、本アカウントは「身近で気になる野鳥ランキング」です。
スズメやカラスなど、身近だけれど気にされない鳥たちは、ここには登場しません。
身近なカラスにも「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」の2種がいたり、その行動パターンが違ったりと面白いこともあるのですが残念です…。「本格的にバードウォッチングを始めたい方」には、やはり図鑑を購入することをお勧めします。
浜松科学館では、身近な留鳥(一年中見られる鳥)を対象としたミニガイドブックを公開しています。
こちらをダウンロード、印刷して、切ったり折ったりすると…1冊の図鑑になるのです!
是非ご活用くださいませ~
浜松科学館自然観察園にも、ムクドリ、ヒヨドリ、シジュウカラ、キジバトなど様々な野鳥が訪れます。
このランキングがきっかけで、ちょっとでも道端の野鳥に注目してもらえたら、こんなに嬉しいことはありません!
身近で気になる野鳥観察、そしてバードウォッチングを楽しんでみてください〜
写真提供:浜松野鳥の会