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浜松科学館では生き物イベントをたっぷり開催しています

はじめに

いつも歩いている街中の通勤・通学路、公園、ハイキングコース。
その1歩1歩の間にもたくさんの生き物が生きていて、関わり合い、科学的な事象が起こっています。
浜松科学館では、そんな生き物たちとの「小さな出会い」や「小さな気づき」を大切に発信しています。

この記事では、浜松科学館がこれまでに開催した生き物に関連するイベントをご紹介します。

それぞれの催しの紹介に、当日の様子や生物学的、生態学的な情報をまとめた当館の公式note、ブログのリンクがございます。
詳細の情報収集や、内容の復習などにご活用ください。

「この催しをもう一度体験したい!」「○○がテーマの観察会を企画してほしい」など、ご要望がございましたら科学館ウェブページのお問い合わせフォームから是非ご意見をお聞かせください。今後のイベント企画の参考にさせていただきます。



~ 野外観察会 ~

科学館の敷地内(自然観察園、サイエンスパーク)を中心に、昆虫、鳥類、植物、(近日中に地衣類も)の観察会を実施しています。

時には浜松市内や周辺地域へ出張することも。

「105歩で生き物観察」は、観察場所をあえて自然観察園に限定することで、小さな都市環境でできる生き物観察の面白さを伝えています。

身近な昆虫採集体験

採って、調べて、また採って

虫取り網、虫かごを持って、自然観察園やサイエンスパークで自由に昆虫を採集します。採集した昆虫は館内サイエンスライブラリーの図鑑で種名を調べます。

夏はクマゼミやアブラゼミなどセミの仲間が、秋はバッタやキリギリスの仲間が捕まえられました。昆虫を採集して、図鑑で調べて、また採集して。昆虫を集中して学ぶことができるとても理想的な時間でした。


親子でバードウォッチング!

バードウォッチング未経験な方にピッタリ

科学館発行の野鳥ミニガイドブックと双眼鏡をもって、科学館の東側を流れる馬込川で野鳥を観察します。双眼鏡の使い方からレクチャーしますので初心者の方でも安心。例年、カワセミやジョウビタキ、イソヒヨドリなど20種くらいの野鳥が観られます。

最初は全く種類が分からなかった子供たちも、「カモ発見!あ、カモじゃなくて、いつものオオバンだった…。残念…。」とバードウォッチングの世界への一歩を踏み出していました。

2019年には日本野鳥の会遠江さんと共催で、佐鳴湖公園でも野鳥観察会を実施しました。

※2019年開催時の様子

105歩で生き物観察「擬態昆虫編」

自然の中で「宝探し」を楽しもう

冬はじっとしている昆虫たち。鳥などに食べられないよう自身の身体を周囲の環境に真似て「擬態」します。そんな擬態昆虫たちの生態を、座学と野外観察で学びます。

擬態昆虫の観察は、まさに宝探し!自然の中で見つけるたびに、参加者から驚きの声が上がりました。科学館の自然観察園の他に、出張版として静岡県立森林公園、北杜市オオムラサキセンターで共催イベントを開催しました。


105歩で生き物観察「落ち葉編」

五感で落ち葉を楽しもう

自然観察園で、できるだけたくさんの樹種の落ち葉を拾い、館内サイエンスライブラリーで種名を調べます。「たくさんの樹種」を意識すると、落ち葉の色、形、微妙な質感の違いに敏感になります。

コナラとクスノキの葉の形を比べてみると、前者はギザギザ、後者はツルッとしていました。それぞれの葉の形には、どのようなメリットがあるのでしょうか?気になった方は下記リンクをご参照ください。


105歩で生き物観察「タンポポ編」

タンポポは外来・在来でどう違う?

自然観察園はセイヨウタンポポ、トウカイタンポポ、シロバナタンポポの計3種が生息しています。それらタンポポの生態を座学と野外観察で学びます。

外来性のセイヨウタンポポのビラビラ(外総苞片)には、外来性ナメクジに花を食べられないようにする「ネズミ返し」の機能があることを座学で紹介しました。残念ながら、イベント当日は雨天で屋内での座学のみになってしまいました。またの機会に野外観察をリベンジしたいです。


105歩で生き物観察「クスノキのダニ編」

クスノキの害虫防除の意外な方法

自然観察園で採集したクスノキの葉の断面をデジタルスコープで観察します。クスノキの葉には小さなコブがあり、中には「フシダニ」というダニの仲間が棲んでいます。

コブはもともとクスノキがダニの居住部屋として用意した「ダニ室」と呼ばれる器官です。意外なことに、ダニ室に棲むフシダニの一種は植食性で、クスノキにとっても有害です。なぜクスノキは、自身に害のあるフシダニの居住地を用意しているのでしょうか?
気になった方はこちらからどうぞ ↓


105歩で生き物観察「地衣類編」

人知れず生きる、奇抜でユニークな生き物たち


地衣類は菌類と藻類の共生体。あまり知られていない存在ですが、幅広い環境に生息し、市街地でも街路樹やコンクリートなどに生える彼らを観察することができます。

ルーペと科学館発行の地衣類ミニガイドブックをもって、敷地内に生息する7種の地衣類を観察します。うろこ状のコウロコダイダイゴケ、ペンキを塗ったような様子のツブダイダイゴケ。樹皮にベタっと張り付くコフキメダルチイ、波打つシロムカデゴケ。それぞれ個性的な色形をして、ルーペで拡大するとその違いに気が付きます。


105歩で生き物観察「コケ編」

人知れず生きる乾物的なコケ植物たち

コケ植物は、根や維管束(水分や養分が通る太い管)、種子など植物にありがちな機能を持たない、陸上植物の中で最も原始的なグループです。湿度が低い時、コケは葉を縮めて自ら仮死状態になり、雨が降ると水分を吸収して再び葉を広げるのです。

ルーペと科学館発行のコケミニガイドブックをもって、敷地内に生息する7種のコケ植物を観察します。霧吹きで水分を与え、乾いた時と湿った時の同種とは思えない劇的ビフォーアフターには驚かされるばかりです。



~ 屋内観察会 ~

実体顕微鏡や生物顕微鏡、その他実験機器を使った観察会を実施しています。

「15分で自然観察」は週末に実施する、その名のとおり15分間の観察イベントです。自然観察の他に、化学、物理実験がテーマの「15分で科学実験」や、常設展示室の展示物を活用した「15分で展示実験」などがあります。

15分で自然観察「ツクシの胞子はクネクネ動く」

ツクシの胞子はどうして動くの?

ツクシの胞子を生物顕微鏡で観察します。胞子には弾糸(だんし)という突起があり、息を吹きかけると縮んでクネクネと面白い動きをします。

「うわ!めちゃくちゃ動く!」参加者から驚きの声が上がりました。湿度が高い晴れの日は弾糸を伸ばし、湿度が低い雨の日は弾糸を縮めます。湿度によって弾糸の形状を変化させることで、ツクシは晴れの日を選んで胞子を飛ばすことができるのでした。


15分で自然観察「花粉から見る植物たちの生存戦略!」

花粉の形から植物の生き方を見てみよう

タンポポと、スギの花粉を生物顕微鏡で観察します。タンポポは昆虫に花粉を運んでもらう虫媒花、スギは風で花粉を運ぶ風媒花です。

タンポポの花粉は数が少なく、虫にくっつきやすいトゲトゲした形でした。一方のスギは丸くてリンゴのような形、そしてものすごい数!スギ花粉は見ているだけで鼻がムズムズする気がします。花粉の分散方法によって、都合の良い花粉の量や形を選択しているのですね。


15分で自然観察「ひっつき虫がひっつくワケ」

種子の形をじっくり観察

タオルに付いた植物の種子(ひっつき虫)を採集して、種子の形を実体顕微鏡で観察します。植物種ごとにひっつく構造をスケッチして比べてみましょう。

  • オオオナモミのトゲの先端はまるでカギヅメ

  • イノコヅチの仲間にはサシピンのような長い針

  • ヌスビトハギの表面はまるでマジックテープ

  • センダングサには返しのついた銛

普段はちょっと迷惑なひっつき虫。顕微鏡でのぞくと、種ごとに工夫を凝らした驚きの構造が備わっていました。


15分で自然観察「最強の生き物!?クマムシを観察!」

最強生物はすごく身近にいる

クマムシは乾眠状態であれば、高温、低温、宇宙線など、厳しい環境に耐えることができます。そんな最強の生き物を、科学館敷地内のコケを採集して生物顕微鏡で観察します。

「え?こんなところに棲んでるの!?」半信半疑で顕微鏡をのぞくと、8本脚をもぞもぞと動かすクマムシが見つかりました。最強の生き物はジタバタと不器用そうで、とても愛らしい姿でした。


15分で自然観察「珪藻が描く幾何学模様を観察しよう!」

私たちの知らない水中の世界

天竜川の水底の石から採取した固形物。それをアルカリ処理して、残った珪藻のガラス質を生物顕微鏡で観察します。

顕微鏡をのぞくと、「おぉ!すごい!」色んな形の珪藻たちがたくさんいます。子供たちは慣れない顕微鏡を抱え込むようにして見入っていました。形に注目すると、大きく6種類に分類できました。それぞれの形の中にも、何種もの珪藻がいることでしょう。


15分で自然観察「チリメンモンスターをさがせ!」

食卓の上の多様性を感じてみよう

ちりめんじゃこの中の小さな生き物たちを実体顕微鏡で観察します。

サンプルをシャーレにあけると、多種多様な生き物たちが目に飛び込んできました。植物プランクトンを食べるオキアミやカニの仲間のメガロパ幼生、さらにそれらを食べるその他のチリメンモンスターたち。「海にはたくさんの生き物たちが棲んでいる」そんな当たり前のことを実感した15分間でした。


この生き物何だろう?~土壌動物編~

2日間、ひたすら顕微鏡をのぞきましょう

※2019年開催時の様子

ツルグレン装置で採集した土壌動物を、分類学的な階層の目レベルで同定できるように頑張ります。観察した全目を参加者全員で手分けしてスケッチし、特徴をまとめ、最後に自身が担当した目の特徴を発表して1冊の土壌動物を作ります。

職員の趣味が濃厚に現れた本イベント。上記の内容を2日間にわたって実施しました。子供から大人までひたすらに顕微鏡をのぞき、スケッチして、図鑑を開いて、液浸標本を作って、また顕微鏡をのぞいて…を繰り返しました。


化石探し体験!

化石は生き物のタイムカプセル

那須塩原で掘り出された握りこぶしほどの岩石を、たがねと金づちで割り、化石を探します。まだ誰も見たことがない化石を自ら発見する、本物の古生物学者のような体験です。

「割れた!」「あった!化石ゲット!」「何の木の葉っぱかな?」化石を発見した子供たちは大興奮!化石を発掘した後は、見つけた落ち葉の化石の樹種を調べて、樹が生えていた当時の気候を推測しました。


天竜川の石で「ロックバランシング」に挑戦

何も考えず、石と一体になろう

天竜川は堆積岩や火山岩などさまざまな種類の岩石を観察できる河川です。天竜川で採集した石を積んで、アーティスティックな作品を生みだします。

石の表面構造や重心を意識しながら積んでいきました。最初は石がぐらぐらしますが、集中するとまるで石が体の一部になったかのような感覚になります。岩石の名前はとりあえず置いておいて、何も考えずにひたすらに積みましょう。


でんけんラボ

最大3万倍で拡大観察

常設展示室の展示物を1つピックアップして、実験やショー形式で展示物の魅力を紹介する「アクティブ展示解説」。そのコンテンツの一つとして自然ゾーンの「でんけんラボ」を開場しています。電子顕微鏡でアリやダンゴムシ、鳥の羽など身近な自然を最大倍率3万倍で観察します。

画像はアリの電子顕微鏡写真。目は粒々で無数にあり、粒の間に毛が生えていました。触覚や嗅覚をつかさどる触角にも複数種類の毛が無数に生え、前脚の符節には目を掃除するための毛がタオルのように常備されていました。

虫メガネだけでは分からない生き物の面白い世界に迷い込んでみましょう。


~ 工作 ~

生き物の形や習性を楽しむ工作体験を実施しています。

科学館では工作体験の一環として、ミニワークショップを開催しています。
毎日予約なしで10~15分程度の科学工作、観察を体験することができます。

実験機器を活用したやや難易度が高い工作では、上記の「15分で科学実験」の枠組みで実施することもあります。

15分で科学実験「ロウソクゴケでキャンドル作り」

中世ヨーロッパのキャンドル作りを体験しよう

※2019年開催時の様子

湯煎して溶かしたロウに地衣類の一種ロウソクゴケを加えて、ロウを黄色に着色します。中世ヨーロッパではロウソクゴケの仲間をキャンドルの染色に用いられていたとのこと。好きな型に流し込んで固まれば、とてもオシャレなクリスマスキャンドルが完成します。

溶けたロウにロウソクゴケの粉末を加えると、あっという間にロウが鮮やかな黄色に染まりました。ロウが固まるまでの待ち時間に、科学館の外の街路樹に生えるロウソクゴケを観察しました。


ミニワークショップ「レジンで作るダンゴムシ標本」

ダンゴムシをじっくり観察

アクセサリーやマニュキュアに用いられるレジンにダンゴムシを封入して簡単な樹脂標本を作ります。作った標本を虫メガネで観察して、ダンゴムシの身体の造りを学びます。

「かわいい!」ダンゴムシは子供たちに大人気。幼稚園や小学校の中庭などで出会うことが多いそうです。「脚は14本もあるんだね」じっくり観察することで、新たな気づきが生まれました。


ミニワークショップ「磁石の力でバタバタバタフライ!」

蝶が羽ばたく様子を再現!?

※2019年開催時の様子

蝶の翅と持ち手のコントローラーにそれぞれ磁石を付けて、コントローラーを動かします。磁場が変化することで蝶の翅がバタバタと動きます。アゲハ、ゴマダラチョウ、ルリタテハなど、科学館の周りに生息している蝶がモデルになっています。

バタバタと羽ばたく様子はかなりリアル!今度は野外で生きた蝶を捕まえて、本物のバタバタを体験してみましょう。


ミニワークショップ「この指とまれ!バランス昆虫」

この虫は、どんな姿で飛ぶの?

夏の企画展「身近で気になる昆虫展」(下記参照)の関連工作イベント。オオキンカメムシ、タマムシ、ヘビトンボ、オオミズアオなど、身近で気になる昆虫たちの「やじろべえ」を作ります。

翅の広げ方や飛ぶ姿は昆虫種によって様々。同じ会場に展示している本物の標本を観察しながらリアルな色彩に塗る子供もいました。標本を観て、工作して、また標本を観て…。昆虫愛をじっくりと育みましょう。


ミニワークショップ「何が好物?ゆらゆらちょうちょ」

ディテールにこだわりました

夏の企画展「身近で気になる昆虫展」(下記参照)の関連工作イベント。蝶と、土台の3箇所に磁石を付けて、宙づりの蝶を動かします。すると磁石の力で蝶が土台の磁石に引き付けられて、いつまでもゆらゆらと動きます。

身近で気になる昆虫のキアゲハ、アカボシゴマダラ、オオミズアオ、アオスジアゲハの4パターンを用意しました。それぞれが引き付けられるのは、配偶者や、成虫の餌、食草などの好物です。特に成虫の餌や食草は種ごとに異なり、職員の細部へのこだわりが感じられます。


ミニワークショップ「葉脈標本のしおりをつくろう」

読書の秋にしおりをどうぞ

自然観察園で採集したヒイラギの葉を薬剤で溶かし、葉脈だけを綺麗に残します。ラベルと一緒にラミネートすれば、オシャレなしおりの完成です。

「わあ!きれい!」出来上がったしおりはまるで芸術作品のようでした。葉脈は、「維管束」という水分や養分を行き来させる管です。命を繋ぐ通り道はこんなにも美しかったのですね。


~ トークオブワンダー ~

サイエンスカフェ形式のお話会です。
エントランスのカフェスペースを会場に、専門的な生物学、生態学の話を分かりやすく、面白可笑しくお伝えします。

生き物から学ぶ恋愛術

これでバレンタインもばっちり!?

※2019年開催時の様子

恋愛を意識しがちなバレンタインに合わせて開催した本企画。私たちヒトよりもはるか昔から存在している鳥類、昆虫、両生類などの生き物たちから恋愛術を学びます。

樹液に集まるヨツボシケシキスイは、メスをめぐってオス同士で戦います。戦いに強い大きなオスは樹液に陣取ります。弱い小さなオスは飛翔能力が高く、広範囲の探索に長けています。昆虫たちは生まれもった体を活かして、懸命に恋愛しているのですね。

生き物から学ぶプロポーズ♡

これでクリスマスもばっちり!?

クリスマスに合わせて開催した本企画。上で恋愛について学んだら、一歩進んで生き物たちからプロポーズの方法を学びましょう。

カワセミのオスは求愛のために魚をメスにプレゼントします。叩いて魚の骨を砕き、頭から渡すことで鱗が引っかかり飲み込みづらくなるのを防ぎます。意中の相手のハートをつかむには、心遣いが大切なのですね。


映画「かぐや姫の物語」に登場するのは何ザクラ?

知ると映画が何倍も楽しくなる生き物の話

ジブリ作品の映画「かぐや姫の物語」に登場する生き物を紹介して、製作スタッフの細部へのこだわりや、物語の時代背景に迫ります。

私たちがよく見かけるサクラの品種はソメイヨシノ。葉が出る前に一斉に咲く花が見事です。一方、映画に登場するサクラはピンク色の花と赤色の葉が同時期に付いています。ということは、このサクラはソメイヨシノではない…。サクラの正体が気になる方は、リンク先の記事をチェック!


映画「となりのトトロ」で生き物観察

知ると映画が何倍も楽しくなる生き物の話

ジブリ作品の映画「となりのトトロ」に登場する生き物を紹介して、製作スタッフの細部へのこだわりや、物語の時代背景に迫ります。

私のお気に入りは、迷子になったメイを探すサツキが、夕方の丘に立つシーン。夜間にだけ咲くオレンジ色のユウスゲが美しく咲いています。


~ 特別イベント ~

単発的な大型のイベントをまとめました。

企画展・特別展では、特定なテーマにフォーカスした科学館職員こだわりの展示を内製しています。
2021年度の夏の企画展では「身近で気になる昆虫」を開催しました。
今後も内部でのプレゼンを頑張って、生き物を対象にした回を作っていきたいと思います。

1倍から30000倍まで「超拡大ラボ」

電子顕微鏡で自由に観察!

科学館職員とデジタルカメラ、電子顕微鏡を1時間貸し切りにして、子供たちが持ち込んだものを自由に観察できるイベントです。観察した成果はポスターパネルにして展示します。

「いつも見ているものの表面は拡大するとどんな感じ?」
「どうしてこんな動きができるのかな?」
「あれとこれを比べてみたいな」
そんな素朴な疑問を、裸眼から最大倍率3万倍まで様々なスケールで観察して明らかにしました。


夏の企画展「身近で気になる昆虫展」

SNSに集積した2万件のデータから、身近で気になる昆虫ベスト50を選出!

アパートの廊下や、通勤・通学路のブロック塀などで昆虫を見つけて「この虫の名前はなんだろう…」と思ったことはありませんか?そんな「身近で気になる昆虫」を主人公に、標本やスタッフ手作りの展示物をじっくりと観察・体験しながら、昆虫の色形、生態、進化の面白さを体感する企画展です。

一般的な昆虫展でよく見られる海外のカブトクワガタ、チョウなどは入口のごく一部でしか展示していません。身近で気になる昆虫50種が、1種ずつ大きな標本箱にちまっと展示されています。一人一本虫メガネを持って、観察ポイントをじっくりと楽しむ斬新な企画展でした。


~ 出張プログラム ~

浜松市内の小中学校を対象に、理科授業の発展的な内容の実験ショーや教室を、浜松科学館職員が出張授業形式で行います。
2022年度は、「サイエンスショー」「野外観察」の2つをご用意しています。
詳細やお申し込みは下記リンクをご覧ください。

野外観察

昆虫を採集して、その場で観察!

学校の校庭や近隣の公園で昆虫を採集します。採集した昆虫を観察して、体のつくりを学びます。

写真は都田総合公園で開催した野外観察会の様子です。バッタやキリギリスの仲間を採集して、図鑑で種名を調べたり、昆虫の身体の造りや、バッタやキリギリスの違いをクイズ形式で学びました。


~ ボランティア活動 ~

浜松科学館では、社会貢献や、個人の興味・スキルを活かすことができる場の提供を目的として、ボランティア活動を実施しています。

主な活動内容は下記の通りです。

◆ 来館者とのコミュニケーション
◆ ミニワークショップなど催しの運営や展示解説
◆ 自然観察園の管理・生き物観察
◆ 自然観察会など館外での活動

自然観察園の整備・生き物観察

人と自然の交流会

毎月一回、科学館職員とボランティアで自然観察園の整備を実施しています。ゴミ拾い、危険性が高いトゲのある植物・立ち枯れの除去、繁茂した外来性植物の除去などを通して、誰もが安心して利用でき、地域の自然を保全に貢献できる場を提供しています。

整備の後は、生き物観察。興味のある生き物をピックアップして、自分たちが管理している公園内でじっくりと観察します。写真右下では、公園の縁石に付いたコウロコダイダイゴケをルーペで観察していますね。


~おまけ~

ミニガイドブックを公開

浜松科学館付近で観察できる草花や野鳥、地衣類、コケのミニガイドブックを公開しています。
画像をダウンロード・印刷して、図鑑を作成してください。
おうちの周りにも生息しているか探してみましょう!

春の草花編


野山の留鳥編


水辺の留鳥編


冬鳥編


地衣類編


コケ編

原本のダウンロード、冊子の作り方はこちらから↓


おわりに

科学館の自然科学系のイベント一覧、いかがでしたでしょうか?
観察対象は、昆虫、鳥類、植物、地衣類、魚類、その他動物など、色々な生き物がいましたね。

イベントは私たち科学館職員が企画・運営しただけでは成り立ちません。
参加者の皆さまがいらっしゃればこそのイベントです。

「セミの口はどうしてこんな形しているんだろう?」
セミの食べ物は植物の液だから、液を吸うためにこんな形なのかもしれないね。ちなみに、硬いストローはカメムシの特徴だよ。ということはセミも…。

「ツクシの胞子めっちゃ動いてる!」
息を吹きかけて湿った空気があたると縮んで丸くなるんだね。丸くなると、どんな良いことがあるのかな?

「ダンゴムシってエビとかカニの仲間なんでしょ?」
よく知ってるね!ダンゴムシを顕微鏡で観察して、エビ・カニとどこが似ているか探してみよう。

いつも私たち職員は、子供たちの言葉に驚かされます。
新鮮で、示唆に富んでいて、とても魅力的です!
これからも自然科学をとおした一期一会の交流の場を大切にしていきたいと思います。

今後も浜松科学館のイベントをよろしくお願いします。

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