浜松科学館 みらいーら

浜松科学館自然観察園は地域の方々のお散歩ルート。歩道は端から端まで105歩。普通に歩け…

浜松科学館 みらいーら

浜松科学館自然観察園は地域の方々のお散歩ルート。歩道は端から端まで105歩。普通に歩けば1分足らずで通過してしまいます。 その1歩1歩にもたくさんの生き物がいて、関わり合い、科学的な事象が起こっています。「小さな森での小さな出会い」を少しずつお届けします。

マガジン

  • 浜松ミクロ散歩

    「浜松のことをもっとよく知りたい!」 好奇心旺盛なスタッフが浜松科学館を飛び出して、浜松各地を訪問。 訪問先で出会った方々とふれあい、こだわりの商品などを科学館にある電子顕微鏡で観察して、ミクロから浜松を探っていく企画です。

  • 105歩で生き物観察

    浜松科学館自然観察園は地域の方々のお散歩ルート。歩道は端から端まで105歩。普通に歩けば1分足らずで通過してしまいます。 その1歩1歩にもたくさんの生き物がいて、関わり合い、科学的な事象が起こっています。「小さな森での小さな出会い」を少しずつお届けします。

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記事一覧

冬に全滅してしまうけれど、毎年日本へやってくる開拓者:ウスバキトンボの話

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冬に全滅してしまうけれど、毎年日本へやってくる開拓者:ウスバキトンボの話

冬に全滅してしまうけれど、毎年日本へやってくる開拓者:ウスバキトンボの話

近頃すっかり肌寒くなってきましたね。
空も高く、秋真っ盛りといったところです。
自然観察園の様子も季節とともに変わってきました。

落葉樹の葉の色は濃い緑色から赤色や黄色がかり、紅葉の兆しがあります。
サクラは、いち早く落葉がはじまっています。

昆虫に注目してみると、9月まで自然観察園の周りやサイエンスパークでたくさん飛んでいたオレンジ色のトンボは姿を消してしまいました。
このトンボこそ今回の主

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身近で気になる野鳥ランキング Best 50

身近で気になる野鳥ランキング Best 50

家の周りや通学・通勤路で、
「あの鳥、なんていう種類だろう?」
「鳥の種類は知りたいけれど、本格的にバードウォッチングを始めるにはハードルが高いかな…」
「図鑑で調べるのは億劫で…」
と思ったことはありませんか?
そんな方にお勧めのランキングを作成しました!

ランキングは、筆者が趣味で続けている「Twitterで生物多様性普及活動」のデータを元に作成しました。
この活動は「生き物の名前を知ると興

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アリの巣に居候するアリヅカコオロギの話

アリの巣に居候するアリヅカコオロギの話

先月と比べて、電気代・水道代がちょっと高い。
冷蔵庫の食料の減りもはやい。
そして他人のいる気配がする!
家には家族しかいないはずなのに…。

ホラー小説のような話ですが、これは実際に筆者が自然観察園で目撃した事件なのです。

観察園を散策中、足元のコンクリートブロックを裏返すとトビイロシワアリの巣がありました。
アリ達は大騒ぎ。何十匹ものアリが縦横無尽に動き回っています(アリさん、ゴメンナサイ!

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優雅に舞う毒蝶ジャコウアゲハの影響力

優雅に舞う毒蝶ジャコウアゲハの影響力

10月のある日、秋の空気を感じながら自然観察園を歩いていると、目の前を黒色の蝶ジャコウアゲハがふわりふわりと横切りました。

葉にとまった個体を観察すると、翅や胴体に赤い斑点があり、とても鮮やかな外見です。

それにしても、間近で注視しても全く逃げる素振りがありません。
自然観察園には、ヒヨドリやシジュウカラなど蝶を食べる捕食者がいるにもかかわらず、飛び方然り、ずいぶんと気の抜けた様子です。

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アリストテレスに教えてあげたいヤモリの秘密

アリストテレスに教えてあげたいヤモリの秘密

“run up and down a tree in any way, even with the head downwards”
“どんな体勢でも、たとえ頭を下に向けていても、木を登ったり下りたりできる”

これは古代ギリシャの哲学者アリストテレスが、キツツキの様子を説明する際に「ヤモリ」の能力を例に挙げた時の言葉です。

今回は、夜行性の動物ニホンヤモリ(以下、ヤモリ)を観察してみましょう。

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